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消化器外科 今村清隆医師が日本内視鏡外科学会「出月賞」を受賞

2022/12/09 お知らせ

2022年12月8日(木)、第35回日本内視鏡外科学会総会にて、第25回「出月賞」の発表がありました。

本賞は、「日本内視鏡外科学会雑誌」に掲載された投稿論文の中から、“最優秀論文”として選考委員会より選ばれた論文に授与されるものです。

今回の第25回「出月賞」は、当院消化器外科の今村清隆医師執筆による「eTEPを用いた内視鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の手術成績:腹腔鏡下IPOM修復術との比較」(日本内視鏡外科学会雑誌第27巻2号)が選ばれました。

日本内視鏡外科学会 第25回出月賞を受賞して

この度は「出月賞」の受賞、おめでとうございます。まずは、受賞にあたっての感想をお願いします。
名誉ある賞をいただき、誠に光栄に思っております。多くの先生方のお力添えのお陰です。
2019年10月、バリ島で開かれた国際学会の懇親会の際に、日本内視鏡外科学会国際委員長を務める当院の笠間医師にシンガポールのロマント教授を紹介いただきました。
翌月にシンガポールを訪問し、ロマント教授よりこの分野を牽引するルーマニアのラド教授を紹介いただきました。
そのあとはコロナ禍で移動が制限されたため、オンラインを使って学ぶことになりました。
振り返ると、この一瞬の出会いがきっかけとなり、今に繋がったと思うと、感謝してもしきれません。
今回「出月賞」を受賞した論文の研究内容についても伺ってよろしいですか?
本研究は、前任地で行った手術成績を後ろ向きに比較検討したものです。
腹壁瘢痕ヘルニアに対して以前から行われてきたIPOM(アイポム)は、「術後の強い疼痛」と「腹腔内に留置するメッシュのために起こる合併症」の観点から、完全に満足のいくものではありませんでした。
しかし、eTEP(イーテップ)という最新の手法を取り入れたことで、より複雑なヘルニアも治すことができるようになってきました。
eTEPは合併症なく、留置したメッシュのサイズが大きく、ヘルニア門閉鎖が全例で可能でした。
これによって再発の少ない、より腹壁機能改善につながる修復が可能になると考えます。
ただし、eTEPの手術時間がIPOMより長いので、術式の洗練による時間短縮が今後の課題です。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
腹壁瘢痕ヘルニアは、腹部手術の術後およそ10%に出現しますが、これまであまり注目されなかった疾患です。
私は、2016年に東京で開催された国際学会で目にした腹壁瘢痕ヘルニア修復術の奥深さに衝撃を受けて、この分野に夢中になりました。
さらにヘルニアに注力するため、14年間住み慣れた札幌を離れ、2022年4月にこちら四谷メディカルキューブに異動しました。
治療が難しいことから、仕方なく経過観察になっている方もいます。そして日本だけでなく世界中に困っている方がいます。
今後も、少しでも貢献できるようにこの分野で頑張りたいと考えております。

プロフィール

今村 清隆(Kiyotaka Imamura)
2005年筑波大学医学専門学群卒。北九州総合病院、手稲渓仁会病院を経て2022年より現職。日本内視鏡外科学会、日本ヘルニア学会の国際委員および評議員として腹部ヘルニアの最新情報の国内外への普及に務める。外科教育にも関心が強く、オンラインで所属施設を問わない勉強会や縫合練習会などを定期的に開催している。コロナ禍においても22名の医師と「症例で学ぶ外科医の考えかた」(医学書院、2022年2月)を翻訳出版した。アジア内視鏡外科学会(ELSA)の2019年内視鏡下鼠径ヘルニア修復術ビデオコンテストファイナリスト、ELSA公式テキスト『Mastering Endo-Laparoscopic and Thoracoscopic Surgery』(Springer社、2022年11月)で腹壁ヘルニア章の編集者を務める。これまで執刀数は2000件以上でヘルニアが半数を占め、 他は消化器癌や急性腹症、外傷など多岐に渡る。