治療法の実際
腹腔鏡手術で正中弓状靭帯を切離します。
通常5ヶ所程度に小さな筒をお腹に入れて行います。腹腔鏡手術は、カメラを通して何倍にも視野を拡大して観察できるため、細かい血管の処理や靭帯の切離を行う本治療には非常に適していると考えられます。当院では3㎜や5㎜の細径鉗子を用いた、低侵襲手術を行っています。術中に超音波検査で血流測定を行い、靭帯の完全な切離を確認します。通常出血量はごく少量で、手術時間は2~3時間程度です。
手術中の画像
CT画像
超音波画像
手術までの流れ
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- 初診
- 症状やこれまでの治療歴などを詳しくお伺いします。腹部超音波検査・腹部造影CT検査で腹腔動脈の狭窄の程度を確認します。必要に応じて上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行います。
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- 手術決め外来
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検査結果をもとに今後の治療方針を決定します。
手術を行う場合、手術前検査(採血、採尿、心電図検査、胸部X線検査、50歳以上の方は心臓エコー)を実施します。
全身麻酔で手術を行うため、麻酔科医師による説明があります。
手術方法や手術で起こりうる合併症について説明します。必ずご家族と一緒にご来院ください。
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- 手術
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手術当日に入院していただきます。
通常、手術時間は2~3時間程度で、2泊3日で退院となります。
入院スケジュール
手術後の回復力を高める入院生活
- 手術前処置はありません。
- 下剤・浣腸・術前点滴の使用を控え、ストレスフリーで歩いて手術室に入室します。
- 手術後の痛みと吐き気の軽減に努めています。
- 持続硬膜外麻酔(写真)を使用した疼痛管理と国際的ガイドライン推奨の薬による嘔気対策を実施しています。
- 手術翌日から食事を開始します。
- 朝食から経口摂取が可能となります。
- 手術翌日からシャワー浴ができます。
- シャワー・トイレ付きの個室で、普段と変わらない生活に向けて全身の回復を促します。
入院費用の概算(3割負担)
健康保険の適用となります。3割負担の場合のおおよその目安です。
220,000~240,000円
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※高額療養費制度の対象となります。所得によって決められた自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。入院会計時に「限度額認定証」をご提出いただくと、上記金額より自己負担額を軽減することができます。
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※差額室をご利用の場合は別途となります。