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ピロリ菌感染症とは

正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌で、経口的に感染し、胃にすみつく細菌です。乳幼児期に感染していることが多く、気づかないまま成人になると、胃は慢性胃炎や萎縮性胃炎という状態になっています。一部の方では胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃リンパ腫を発症することもあります。ピロリ菌の感染の有無で、胃癌リスクは大きく異なるため、一度は調べてご自身の状態を確かめておくことが勧められます。

対象となる方

  • 調べたことがないので検査したい。
  • 家族に感染があったので調べたい。
  • 胃癌リスク検診(ABC検診)から検査を勧められた。
  • 健診のときにピロリ菌の抗体検査を受けて精査を勧められた。
  • 胃エックス線検査で胃炎があり、ピロリ菌についても調べあるように勧められた。

診断に用いる検査

抗体検査

血液検査が広く行われています。検査方法が数種類あり、通常は数値で結果が出ます。それぞれ多少特性が異なり、基準値も異なることがあり、全体の正確さはやや劣ります。

便抗原検査

比較的正確とされています。採便が必要です。

尿素呼気試験

比較的正確です。測定機器があれば、20分の検査後に数分で結果が出ます。

内視鏡検査で検体を採取する方法

内視鏡で胃をよくみて診断することは重要です。粘膜の状態から感染の有無もある程度予測できます。胃粘膜の一部を採取して、菌の有無も調べられますが、その採取した部位だけの結果となるため、複数個所で調べることが勧められています。

検査法には、迅速ウレアーゼ検査、鏡検検査、培養検査があります。菌を直接証明するのは、培養検査になります。また、除菌に失敗した方がその後の治療薬を選定する必要があるときに、培養して薬剤感受性を調べることもあります。

検査の注意事項 上部消化管内視鏡検査が行われていて、慢性胃炎の所見があり、ピロリ菌感染が疑われるときに、感染の診断をする場合は、そのまま保険診療で検査や除菌治療を受けていただくことが可能です。一方、胃の検査なしでピロリ菌について調べたいというご希望の方は、「健診」と同じ扱いになるので保険診療が認められていません。(検査法により費用は異なりますが、数千円の自己負担です)

治療法の実際

1次除菌

使用薬剤
:ボノプラザン アモキシシリン クラリスロマイシン
服用期間
:7日間

2次除菌

使用薬剤
:ボノプラザン アモキシシリン メトロニダゾール
服用期間
:7日間

これ以外は原則として保険外診療となります。3次除菌はクラリスロマイシンやメトロニダゾールを用いずにニューキノロン系薬剤を用いることが多く、またペニシリンを用いない組み合わせとしてはボノプラザン、メトロニダゾール、クラリスロマイシン(またはニューキノロン系薬剤)が多くなっています。

当院の除菌治療の成績

除菌治療を受け、その後の除菌判定まで行った方の成績をお示しします。これまでの除菌治療件数は5700件以上ありますが、2015年以降はプロトンポンプ阻害剤をボノプラザンとして組み合わせが一定となっているため、2015年から2021年の成績を示しします。なお2015年以降多くの施設で、プロトンポンプ阻害剤をボノプラゾンとして除菌治療を行うようになってから、成功率の向上がみられ、3次除菌が必要になる方は減少しました。

  • 1

    1次除菌

    成功1020名/不成功104名

  • 2

    2次除菌

    成功185名/不成功8名

  • 3

    3次除菌

    成功77名/不成功6名

  • 4

    ペニシリンを用いない除菌

    成功95名/不成功11名

よくある質問

  • 抗体検査の数値はどう解釈したらよいですか?

    検査法がいくつもあり、基準値がそれぞれ異なります。現在当院で使用しているEIA法の結果は、ピロリ菌の感染のない方では3.0未満、感染のある方10以上となることが多いです。3~10の間には、かつて感染のあった方やまだ現在感染のある方などが混在してくるため、さらに尿素呼気試験や便抗原検査を用いて判定します。なお、稀には10以上で感染がない方や3.0未満でも感染のある方がいるため、胃の内視鏡所見などで矛盾がないことを確認して総合的に判断しています。

    このほか、現在LA法で判定する施設が多いです。これにも数種類あり、検査結果の値についての特性が異なるため、数値の比較は出来にくいです。EIA法より若干高めに出ることが多く、偽陽性が多い傾向があります。

  • 除菌治療後の判定時期はいつがよいのでしょうか?

    尿素呼気試験で数値の低下をみて判断することが多いですが、最低でも内服終了して4週間以上経過してから調べるという規定があります。稀に4週直後には数値が下がりきらず、2~3ヵ月経過してから基準値以下になる方が1~2%います。このため、判定時期を2~3ヵ月以降にした方がよいという意見もあります。このため、4週で判定したときには数値が下がりきらない場合に再確認することがあります。

  • ピロリ菌がいなければ胃の検査はしなくてもよいのでしょうか?

    残念ながらそうではありません。ピロリ菌の感染が自然に終息した場合や除菌治療をした方で、あとから胃癌が見つかることはあります。菌がいなくなったとしてもかつて感染のあった方は胃癌リスクが多少はあるので、定期的に検査をお受けになった方がよいでしょう。一方で、胃の状態からみてまったく感染のない状態が続いていると考えられる未感染の方は、胃癌リスクが相当低い(感染のある方やあった方に比べると数十分の一程度)ことになります。

  • ペニシリンにアレルギーがあると除菌できないでしょうか?

    多くの薬剤でアレルギーを生じている場合、また多くの薬剤で耐性化を生じている場合に、除菌できないことはありますが、ペニシリンが使えないという理由だけの方なら90%程度で除菌に成功しています。

  • 副作用にはどのようなことがありますか?

    下痢や軟便が最も多いです。その他は口内苦味感、皮疹(薬疹)、腹部不快、嘔気、肝障害、血球減少などが知られています。当院でも下痢や薬疹などで入院が必要になった方は0.1%程度ですが、いらっしゃいます。

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