胆石症とは
胆汁が流れる管を胆道と呼び、胆道に石(結石)ができる病気を胆石症といいます。結石ができる場所によって、「胆のう結石」、「胆管結石」、「肝内結石」に分類されます。一般的に、「胆石」といえば「胆のう結石」のことを指します。
当院で治療を行っている胆石
胆石症のうち、「胆のう結石」と「胆管結石」の治療を行っています。その他、「胆のうポリープ」、「胆のう腺筋腫症」という、胆のうの粘膜や壁の病気についても治療を行っています。詳細な検査を行い、適切な治療方法を選択いたします。

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胆のう結石
食生活の欧米化や高齢化などを背景に、日本人の胆石保有率は年々増加しています。胆のう結石があっても2~3割の方には症状はありませんが、食後の痛みや嘔気などの症状が認められる場合には、手術療法が推奨されます。
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胆管結石(総胆管結石)
胆管結石は、胆管を閉塞して胆管炎を併発したり、膵管を閉塞して膵炎を起こす可能性があり、胆管結石と診断された場合は治療の対象となります。一般的には、胆管結石の除去を内視鏡で行った後に胆のう摘出術を行うため2回の入院が必要となりますが、当院では1回の腹腔鏡手術で治療を完結します。
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胆のうポリープ・胆のう腺筋腫症
胆のうポリープは、胆のうの粘膜にできる隆起で、大きさが10㎜以上、茎がない(広基性)、増大傾向を示す、などの場合には手術が推奨されます。胆のう腺筋腫症は、胆のうの壁が部分的あるいは全体的に肥厚するもので、胆石を伴って症状が出現したり、悪性が否定できない場合には手術の適応となります。
診断に用いる検査
腹部超音波検査
胆のうや胆管を詳細に観察します(空腹時の検査が望ましいです)。

CT検査
造影剤を用いて、胆のう・胆管を詳しく調べます。走向異常の有無や胆管結石の描出に優れています。

MRI検査
造影剤を使わずに、胆道系の走向を確認します。胆のう壁の描出に優れ、良・悪性の鑑別に用います。

治療の適応
胆石があり、食後の腹痛や嘔気などの症状がある場合には、胆石発作を考えて精密検査を受けましょう。胆のうポリープや胆のう腺筋症は、がんとの鑑別が問題となるため、定期的な検査がとても大切です。
手術を推奨する方
- 胆石による食後の腹痛や嘔気などの症状を認める方
- 胆管結石がある方
- がんとの鑑別が必要な方
