治療法の実際
当院では、胆石症に対して腹腔鏡手術を実施しています。
胆管に結石がある場合、腹腔鏡手術で胆のうと胆管結石の摘出を同時に行っています。
この手術方法は、高度な技術を要するため、実施している医療機関は限られています。

腹腔鏡下胆のう摘出術
全身麻酔で行います。腹腔鏡を用いて、胆のうを摘出します。炎症の程度により異なりますが、一般的には1時間程度の手術です。手術中に胆道造影検査を行って胆管結石の有無を確認します。胆管結石が認められた場合、1期的に摘出します。
- 四孔式
- 一般的に行われる手術です。4つのきずで胆のうを摘出します。胆のうの炎症が軽度の場合には、2㎜・3㎜などの極細の鉗子を使用して、整容性にも配慮した手術を行っています。

- 単孔式
- お臍から2本の鉗子と腹腔鏡を挿入して胆のうを摘出します。その他、右上腹部に2㎜の傷がつきます。整容性に最大限配慮した手術ですが、胆のうの炎症が強い方や肥満の方には、四孔式手術を推奨しています。

胆管結石除去術
1回の手術で胆管結石の除去と胆のう摘出を行い、治療を完結します。一般的に、内視鏡治療では胆管結石を除去する目的に十二指腸乳頭を切開するため、乳頭機能に影響がおよんで治療後に胆管結石が再発することがあります。1期的手術では、十二指腸乳頭機能が温存されるため、胆管結石の再発率を下げることが期待されています。
胆管結石の大きさ・個数・位置などを考慮し、「経胆のう管法」と「胆管切開法」を選択しています。
- 経胆のう管法
- 胆のう管から2.8㎜の細径胆道鏡を挿入して、胆管結石を摘出します。胆管結石が小さく(7mm以下)、4個以下、肝臓側に結石がない場合に選択します。胆管に傷をつけないため、腹腔鏡下胆のう摘出術と同様の経過で早期退院が可能です。

- 胆管切開法
- 胆管を切開し、4.9㎜の胆道鏡を挿入して胆管結石を摘出します。大きな胆管結石など、経胆のう管法が適応外の方に行います。切開した胆管を腹腔鏡下に縫合閉鎖するため、高い縫合技術が必要となります。通常、Cチューブなどの管(ドレーン)を留置します(翌日以降抜去します)。

手術までの流れ

初診
問診を行います。紹介状や検査結果をご持参されていない場合には、初診時に超音波検査を行うことがあります。手術適応がある場合には、手術日程を決めたうえで検査をすすめていきます。
検査
CTもしくはMRI、内視鏡検査を行います(他院で同検査が実施されている場合は、この限りではありません)。
手術適応の決定
検査結果および診療で得た情報をもとに手術適応の可否を決めます。
手術日決定
手術適応となった方に、手術可能な日程の中から患者さまのご希望を伺い決定します。
手術前検査
手術に必要な検査(採血、採尿、心電図検査、レントゲン検査、70歳以上の方は心臓エコー)を行います。
麻酔科診察・手術説明
麻酔科外来
手術は全身麻酔で行います。麻酔科医師が麻酔の方法について説明します。
手術説明の外来
手術方法や手術で起こりうる合併症などについて説明します。
入院・手術
当日午前に入院となります。宿泊室に帰った後、3時間ほどで水分摂取が可能となります。
午前中手術の方は、夕食より食事が開始となります。(午後手術の方は翌日朝より)

入院スケジュール

手術後の回復力を高める入院生活
- 手術前処置はありません。
- 下剤・浣腸・術前点滴の使用を控え、ストレスフリーで歩いて手術室に入室します。

- 手術後の痛みと吐き気の軽減に努めています。
- 鎮痛薬による積極的な疼痛管理と国際的ガイドライン推奨の薬による嘔気対策を実施しています。

- 手術当日もしくは翌日から食事を開始します。
- 手術当日の夕食または翌日の朝食から経口摂取が可能となります。

- 手術後1日目からシャワー浴ができます。
- シャワー・トイレ付きの個室で、普段と変わらない生活に向けて全身の回復を促します。

入院費用の概算(3割負担)
健康保険の適応となります。3割負担の場合のおおよその目安です。
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術
- 150,000〜160,000円
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※高額療養費制度の対象となります。所得によって決められた自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。
事前に手続きをする場合、入院会計時に「限度額認定証」をご提出いただくと、医療費請求額を自己負担限度額までの金額にとどめることができ、医療費の窓口負担を抑えることができます。
事後に手続きをする場合は、窓口で医療費の自己負担分を全額お支払いいただき、後日ご自身にて高額療養費の申請手続きを行うことにより、払い戻しを受けます。 -
※差額室をご利用の場合は別途となります。