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治療法の実際

症状から逆流性食道炎(胃食道逆流症)が疑われたら、まずは消化器内科を受診しましょう。多くの場合、胃酸分泌を抑える内服薬が処方されます。内服薬で明らかな症状改善が得られる場合は胃食道逆流症である可能性が高く、内視鏡検査(胃カメラ)で食道粘膜に炎症が認められれば、逆流性食道炎の診断がつきます。

生活習慣の改善

暴飲暴食、早食いをしない、胸やけを起こしやすい食品(脂肪分の多い食物、チョコレートなど甘いもの、柑橘類、コーヒー、紅茶、香辛料、アルコールなど)を控える、禁煙など生活習慣改善により症状が緩和されることがあります。その他、食後1, 2時間は横にならない、上体を高くし、左側を下向きに寝る、腹圧をかけないなども効果的とされています。

薬物治療

胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2ブロッカー)の内服が中心となります。逆流性食道炎に伴う粘膜障害の改善率は高い(70~80%)ものの、非びらん性胃食道逆流症(NERD:ナード)に対する症状改善率は50%程度とされます。また、内服を中断すると症状が再燃することが多く、長期の服薬継続が必要となることが多いです。病状に応じて、消化管運動機能改善薬や漢方薬、抗不安薬などを処方することもあります。

外科治療(手術)

薬物治療を行っても症状改善が得られない、アレルギーなどで服薬出来ない、服薬を中断すると症状がすぐにぶり返すといった場合は外科治療(手術)を考慮しても良いでしょう。手術は内視鏡(腹腔鏡)を用いて行います。おなかの皮膚を数か所、3-5mm程度切開し、そこから内視鏡や細い手術器具を入れます。食道裂孔ヘルニアを合併していることが多く、まず緩んだ食道裂孔を縫い縮め、次に胸部側(横隔膜の上)にひき込まれている胃を腹部側(横隔膜の下)に戻し、最後に胃の一部を食道に巻きつけることにより、逆流防止機構を修復します。手術時間は90分程度で、入院期間は通常3日間です。退院後、2-3週間はお粥など、軟らかい食べ物をゆっくりとよく噛んで食べて頂きます。症状改善率は約90%と高く、胃酸分泌を抑える内服薬が不要となることが多いです。手術は経験数が多いほど安全性が高まり、成績が安定しますので、外科治療を検討されるにあたってはハイボリュームセンターで受けられることを推奨します。

手術実績:612件(2010年~2022年9月)

参考動画
第19回 日本ヘルニア学会学術集会 教育講演
演者:関 洋介医師

胃食道逆流症・食道裂孔ヘルニアに対する低侵襲手術ー適応、手術手技、成績ー

合併症について

胃食道逆流症に対する手術治療は、十分に習熟した治療環境の整った施設で行われれば、安全かつ効果的に行うことが可能です。手術である以上、合併症や有害事象の発生リスクはゼロではありません。一般に手術に伴って起こる可能性のある合併症ならびに有害事象には、以下のようなものがあります。

開腹移行

癒着が強いなど、おなかの中の状態によっては、腹腔鏡手術を安全に行うことが困難と考えられる場合があります。その場合は、開腹手術に切り替えます。

術後早期のつかえ感

個人差がありますが、この手術の後には、2-3週間程度、食物を摂取した際に軽度のつかえ感が生じます。これは手術により胃と食道のつなぎ目部分を触るため、組織に一時的な腫れ(むくみ)が生じて起こっているものと考えられます。そのため、退院後も2-3週間程度は軟らかめの食物をゆっくりとよく噛んで摂取するよう、指導させて頂いています。このつかえ感は徐々に改善していきます。

通過障害

ほとんどの場合、つかえ感は一時的なものですが、ごく稀に何ヶ月しても強い症状がとれない場合があります。その場合は、風船で狭くなった部分を拡張する処置(内視鏡的バルーン拡張術)や再手術が必要となることがあります。

腹部膨満症状

いったん胃に入った食物がなかなか小腸へ流れていかない腹部膨満症状がでることもあります。通常、時間経過とともに徐々に改善していきますが、胃の蠕動を助ける薬を必要とする場合などがあります。

排ガスの増加、げっぷがしにくくなる

手術を行うことによって、胃内容物の食道側への物理的な逆流はかなり抑えられます。同時に、げっぷがしにくい、排ガス(おなら)が増えるといった症状が出現する場合があります。

再発、再燃

手術により形成した部分が、何らかの原因で再び壊れ、症状が再発(再燃)する場合があります。リスクは10%未満と考えられます。再発した場合、程度により再手術が必要になる場合があります。

手術を受けても症状が改善しない可能性

当院では、十分な問診ならびに術前評価を行った上で、手術により症状改善が得られる可能性が高いと予想される患者さんに対してのみ、選択的に手術を行っています。しかしながら、術後の症状推移や必要薬剤の状況などから考えて、改善が得られたとは言えない、と判断せざるを得ない患者さんが10%程度おられるのが実際です。すなわち、当院における外科治療の奏功率(=効果が得られる確率)は約90%です。

手術までの流れ

  1. 初診
    問診、症状スケールによる自覚症状の評価などを行います。かかりつけ医からの紹介状など、資料をお持ちの方はご持参下さい。
  2. 検査
    上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と食道造影検査を行います。胃カメラは、胃食道逆流症の診断に必須の検査で、かかりつけ医などですでに受けておられる場合であっても、当院で再度、検査させて頂きますことをご了承下さい。食道造影検査は、食道裂孔ヘルニアの評価や他疾患を除外する目的で行います。
  3. 精密検査
    胃カメラと食道造影検査の結果によっては、24時間pHモニタリング・インピーダンス検査と食道内圧検査が必要になります。24時間pHモニタリング・インピーダンス検査は、胃内容物の食道への逆流を直接測定するもので、手術適応(手術により改善が得られる可能性が高いかどうか)の有無を判断するために行います。食道内圧検査は、食道の運動機能を評価するために行います。
  4. 手術前検査
    上記の諸検査により、手術適応ありと判断されれば、手術日を決定し、全身麻酔下の手術が安全に実施可能かを評価するための諸検査(血液検査・尿検査・心電図検査・呼吸機能検査・胸部レントゲン検査・胸腹部CT検査など)を行います。
  5. インフォームドコンセント
    担当医師よりこれまでの検査結果、手術方法、合併症のリスクなどについて、患者さん(ならびにご家族)に詳しく説明し、質問事項や疑問点などがあればお受けします。同意が得られれば、手術承諾書に署名を頂きます。続いて、麻酔科医師が全身麻酔に関する説明を行います。
  6. 入院、手術
    手術日当日に入院頂き、手術を行います。

入院スケジュール

手術後の回復力を高める入院生活

手術前処置はありません。
下剤・浣腸・術前点滴の使用を控え、ストレスフリーで歩いて手術室に入室します。
手術後の痛みと吐き気の軽減に努めています。
持続硬膜外麻酔(写真)を使用した疼痛管理と国際的ガイドライン推奨の薬による嘔気対策を実施しています。
手術翌日から食事を開始します。
手術翌日の朝食から経口摂取が可能となります。
手術翌日からシャワー浴ができます。
シャワー・トイレ付きの個室で、普段と変わらない生活に向けて全身の回復を促します。

入院費用の概算(3割負担)

健康保険の適応となります。3割負担の場合のおおよその目安です。

腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア術
:200,000~220,000円
  • 高額療養費制度の対象となります。所得によって決められた自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。入院会計時に「限度額認定証」をご提出いただくと、上記金額より自己負担額を軽減することができます。
  • 差額室をご利用の場合は別途となります。

ご予約・お問い合わせ

受診希望の方は、ご予約をお取りください。

専門医による無料相談

関洋介医師が直接お電話にて相談を承ります。
電話相談の対象となる患者さまは、薬物治療で十分な症状改善が得られない難治性胃食道逆流症が疑われ、
手術治療について検討されている方とさせていただきます。