乳がん検診について
乳がんは、早期であるほど症状に乏しく、定期的な乳がん検診が大切です。
早く見つかれば、乳房の温存が可能となったり、抗がん剤が不要となったりと、治療の負担は軽くなります。
誰しも乳がんのリスクがあり、一方でそのリスクは個人差があるため、リスクの高い方は検診の内容や間隔を調整するのが良いでしょう。
無症状の方でも、25歳になったら、一度乳がん検診を受け、リスクを評価し、今後の検診予定について相談していきましょう。
対象年齢と検診頻度について
乳がんリスクに合わせた検診内容と頻度が望まれます。
平均的なリスクであれば、25歳以降、1~3年に1 回の超音波検査や無痛MRI検査 での定期検診とリスク評価を行い、35歳以降は、複数の画像検査を組み合わせた毎年の検診をおすすめします。
ご家族に若くして乳がんが見つかった方や卵巣がん・脾臓がんの方がいる場合、また、良性腫瘍や過去に生検が必要な所見を指摘されたことがあるなど、乳がんのリスクが高い場合は、25歳以降、半年に1 回の超音波検査と年に1回のMRI検査、30歳以降は毎年の3Dマンモグラフィも併用することをおすすめします。
(※全米総合がんネットワークNCCN 乳がん検診ガイドライン2026 参考)
乳房に症状がある方や検査異常の指摘を受けた方は、乳がん検診ではなく、乳腺外科外来をご受診ください。必要に応じて、保険診療での造影乳房MRI 検査が有効となります。
検診内容の選び方
| 検診のポイント | 特徴 |
|---|---|
| メリット |
痛くない 小さな病変の検出 良性疾患の検出 |
| デメリット | 早期乳がんの検出には 担当者の技量が必要 |
| こんな方におすすめ |
若年の方 乳房に痛みが出やすい方 乳腺濃度が高い方 |
| 検診のポイント | 特徴 |
|---|---|
| メリット |
小さな石灰化の検出 年次で比較しやすい 検診施設が多い |
| デメリット |
乳腺濃度が高い方は 乳がんを見つけにくい場合あり |
| こんな方におすすめ |
閉経後の方 乳房に痛みがない方 乳房サイズが大きい方 |
| 検診のポイント | 特徴 |
|---|---|
| メリット |
乳腺の重なりが解消 再検査率の減少 小さな石灰化の検出 |
| デメリット | 検診施設が限られる |
| こんな方におすすめ |
乳房に痛みが無い方 乳腺濃度が高い方 乳房サイズが大きい方 |
| 検診のポイント | 特徴 |
|---|---|
| メリット |
乳房の圧迫がない 乳房全体を立体的に評価 がん発見率が高い |
| デメリット | 体内金属の種類によっては 受けられない場合がある |
| こんな方におすすめ |
乳房に痛みが出やすい方 乳腺濃度が高い方 各種豊胸を含めて術後の方 |
乳がん検診の方法
診察、乳房超音波検査、2D・3Dマンモグラフィ、MRIなどによる早期乳がんの発見には、高い専門性を要するため、どの施設で検査を受けても同じというわけではありません。また、装置の性能だけでなく、複数の画像検査を併用することをおすすめします。
当院は「日本乳癌学会認定施設」として、乳腺専門医の常勤やマンモグラフィ・乳房超音波検査などの医療設備に関する基準に加え、乳がん症例の診断・治療実績や学術業績など、学会が定める要件をすべて満たしています。
乳がん検診後の精密検査や治療まで院内で一貫して実施できることから、常にフィードバックできる体制を整えています。
-
- 問診
- これまでの検査歴や病歴、月経や女性ホルモン治療歴、喫煙やアルコール、運動習慣、本人及びご家族のご病気まで、乳がんリスクに関連する情報をお伺いします。
-
- 画像検査
-
乳がんはさまざまな形があり、早期の場合や、乳房の奥深くにある場合は無症状であることも多いため、乳房全体を画像検査で調べることが重要です。
- 2Dマンモグラフィ・3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)
乳房をX線で撮影する検査です。
触診では指摘するのがむずかしい乳房深部のしこりやゆがみ、乳がんが作る石灰化の有無を調べます。
平均的な乳がんリスクの方には、35歳以降、毎年の検査をおすすめしています。
マンモグラフィはX線を用いますが、私たちが日々浴びている自然放射線は年間2.4ミリシーベルトに対し、乳房が受ける放射線量はおよそ0.05~0.15ミリシーベルトと測定されているため、マンモグラフィによる乳房への影響は心配ないと判断されます。
検査は「日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」の資格を保有した女性の放射線技師が担当いたします。 - 超音波検査
身体に害のない高周波音を用いて体内を調べる検査です。
乳がんだけではなく、良性腫瘍や前がん病変を調べます。
検査は女性の臨床検査技師および必要に応じて医師が担当します。 - MRI検査
磁力を利用して乳房内部を詳しく観察する検査です。
乳房を圧迫せず、うつ伏せの姿勢で撮影するため、痛みを感じることなく安心して受けていただけます。
また、高濃度乳房(デンスブレスト)の方でも乳腺の影響を受けにくく、乳がんの早期発見に役立ちます。
シリコンやヒアルロン酸などによる豊胸術後や乳房再建術後の方も検査が可能です(金属成分を除く)。
さらに、放射線を使用しないため被ばくの心配がなく、検診では造影剤を使用しないため、食事制限なく繰り返し受けていただけます。
- 2Dマンモグラフィ・3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)
-
- 視触診・結果説明
-
専門医が診察を行います。
画像検査の結果を直接ご説明し、今後の検診予定をご案内します(MRI を含むコースは後日結果郵送の場合があります)。
当院の医師は、「日本乳癌学会乳腺専門医」、「日本乳がん検診精度管理中央機構マンモグラフィ読影医」、「日本超音波医学会専門医」の資格を保有しています。
また、「日本乳がん検診精度管理中央機構理事」、「日本乳腺甲状腺超音波医学会理事、日本乳癌検診学会評議員」を務めておりますので、安心して診察を受けることが可能です。
乳がん検診のコース
当院の乳がん検診は乳腺専門医が直接担当し、MRI装置・トモシンセシス対応マンモグラフィ装置・AIサポート機能を搭載した超音波診断装置を導入しています。検査の精度を高めるとともに、体への負担にも配慮した検査に努めています。
※当院では、検診だけでなく、精密検査から乳腺外科手術・治療まで、同じ乳腺専門医が一貫して対応できる体制を整えています。
Smart Breast Check
乳房超音波+視触診+当日結果説明
料金:11,000円(税込) 所要時間:約40分
Standard Breast Doc
2Dマンモグラフィ+乳房超音波+視触診+当日結果説明
料金:22,000円(税込) 所要時間:約60分
Premier 3D Breast Doc
3Dマンモグラフィ+乳房超音波+視触診+当日結果説明
料金:24,000円(税込)所要時間:約60分
Pain-Free MRI Breast check
無痛乳房MRI+後日結果郵送
料金:29,000円(税込) 所要時間:約50分
Executive Pain-Free Breast Doc
無痛乳房MRI+乳房超音波+視触診+当日結果説明/後日結果郵送
料金:33,000円(税込)
所要時間:1日プラン約70分/別日プラン 1日目約50分・2回目約30分
Signature Comprehensive Breast Doc
無痛乳房MRI+3Dマンモグラフィ+乳房超音波+視触診+当日結果説明/後日結果郵送
料金:49,000円(税込)
所要時間:1日プラン約80分/別日プラン1日目約50分・2日目約50分
乳がん検診後のフォローアップについて
検査結果は大きく分けて、「要精密検査」または「異常なし・軽度の所見・経過観察」のどちらかに判定されます。
当院の検査結果は、検査当日に乳腺専門医よりお伝えさせていただきます(MRIを含むコースは後日、結果郵送の場合があります)。
「要精密検査」の場合
要精密検査は、追加の検査が必要と判定したものであり、すべてが乳がんを意味するものではありません。
乳がん検診において発見された病変の、治療や経過観察の必要性を正しく診断するために詳しく検査を行います。
当院では、MRI検査(非造影・造影)や針生検(細胞診・組織診)を主に実施しています。
当院で乳がんが見つかった場合には、ご希望や必要性に応じて、検診担当医が引き続き診療を担当し、優先的に手術枠を確保して治療を行います。プライバシーに配慮した環境で治療を受けていただけます。
「異常なし・軽度の所見・経過観察」の場合
現状、乳がんの疑いはないということになります。
引き続き、リスクに応じた乳がんの定期検診を受けることをおすすめします。
経過観察が必要な際は、乳腺外科外来の次回予約をご案内します(保険診療)。
乳がん予防の新習慣
乳がん検診と関連して、自己触診の指導はこれまでにも広く行われてきました。
しかし、厚生労働省の示す、がん検診実施のための指針「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」は2021年10月1日に改正され、「自己触診」に代えて、新しい「ブレスト・アウェアネス」の重要性が明記されるようになりました。
このブレスト・アウェアネスとは、「乳房を意識する生活習慣」のことです。
自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、意識して生活することによって、変化に素早く気付き、医療機関を受診できるというものです。
是非、この習慣を身につけていきましょう。