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投稿日2025.03.17
更新日2025.03.24
KNOWLEDGE

尿路結石とは?症状や原因、治療方法を解説

#尿路結石症 #泌尿器科

著者情報

阿南 剛 医師 四谷メディカルキューブ 泌尿器科 科長

2008 年 名古屋市立大学医学部卒業。聖路加国際病院、東北医科薬科大学病院を経て、2022年 4 月より現職。東北医科薬科大学医学部 臨床准教授を兼務。日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・指導医、日本腎臓学会 腎臓専門医、日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医、日本レーザー医学会 レーザー専門医、日本尿路結石症学会 評議員、ほか。専門は前立腺肥大症や尿路結石症などの良性疾患の診断と治療で、これまでに 1,000 例以上のレーザー内視鏡手術を手掛ける。

尿路結石は、腎臓から尿道までの尿の通り道(尿路)にできる結石により、激しい痛みや血尿、腎機能障害、さらには発熱を伴う尿路感染症を引き起こすことがあります。本記事では、尿路結石の症状や原因、治療法、予防策について詳しく解説します。

尿路結石とは

尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿の通り道(尿路)に形成される結石の総称です。特に、腎臓や尿管で見つかることが多く、日本では男性の約15%、女性の約7%(男性7人に1人、女性15人に1人)が生涯で一度は罹患するといわれています。さらに、再発率が高く、発症後5 年で約 50%の方が再発するとも報告されています。尿は腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道を通って体外に排出されます。しかし、尿中に含まれるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの成分が結晶化し、結石となることがあります。結石の成分は、シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石、シスチン結石などがあります。尿路結石は生活習慣病の一つと考えられており、最近ではメタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。

尿路結石の症状

尿路結石の主な症状には、痛み、血尿、吐き気や嘔吐、発熱などがあります。

特に典型的なのは、疝痛発作と呼ばれる強い痛みで、背中やわき腹に繰り返し起こります。痛みの位置は、側腹部よりやや背中寄りで、ちょうど「前へならえ」 をしたときに、先頭の人の手の位置にある親指あたりに感じることが多いといわれています。また、尿に血が混じることがあり、結石が尿管に詰まると吐き気や嘔吐を伴うこともあります。さらに、結石による炎症や感染が起こると発熱を引き起こすこともあり、症状が悪化することがあります。

尿管結石との違い

尿路結石には、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石があり、結石ができる部位や症状に違いがあります。腎臓結石は、尿の流れを阻害する場所にない限り痛みを伴わず、無症状であることが多いため、健康診断などで偶然発見されることがあります。一方、尿管結石は痛みや血尿を伴うことが多く、救急外来や泌尿器科に受診することをきっかけに発見されることが一般的です。膀胱結石は、尿の排出がスムーズでない高齢者に多く見られ、血尿や膀胱炎などの症状を引き起こすことがあります。尿道結石はまれな疾患ですが、尿が出なくなる場合があり、その際には緊急性が高く、迅速に尿道カテーテルなどを挿入する処置が必要となります。

尿路結石の原因

尿路結石の主な原因として、まず食生活の乱れが挙げられます。シュウ酸やプリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、水分摂取が不十分であったりすると、結石が形成されやすくなります。生活習慣病も大きな要因であり、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などは、尿路結石のリスクを高めます。加えて、体質や尿路の感染症、尿路の形態異常、薬剤の服用なども、尿路結石を引き起こす原因となることがあります。

尿路結石の予防

尿路結石の予防には、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、水分を十分に摂取しましょう。現在の水分摂取量に加えて、目安として500ml程度をプラスし、こまめに水分を摂取することが大切です。
次に、バランスの取れた食生活を意識することです。シュウ酸やプリン体を多く含む食品の過剰摂取を避け、野菜や果物もバランスよく食べましょう。
適度な運動を習慣にすることも予防に役立ちます。運動は肥満を解消し、尿路結石のリスクを低減させる効果があります。
肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などは尿路結石のリスクを高めるため、生活習慣病の予防も大切です。
定期的に検診を受けることも、尿路結石の早期発見・早期治療につながります。

尿路結石の検査

尿路結石の検査および診断は、以下の方法で行われます。

尿検査

尿に血が混じっていないか、炎症や感染がないかなどを調べます。

X線(レントゲン)検査

結石の有無や大きさ、位置などを確認します。約90%の結石はX線検査で確認できます。
大きさが2mm径以下の結石やX線透過性の尿酸結石は描出されにくいです。

CT検査

結石の有無や個数を明確にし、その位置や大きさ、腎臓の腫れ(水腎症の有無)も詳しく確認することができます。確定診断に有効です。

超音波検査

腎臓や尿管の腫れ(水腎症の有無)、結石の有無などを確認します。滞っている尿流の程度も把握することができます。

尿路結石の治療法

尿路結石の治療法は、結石の大きさや症状に応じて異なります。

まず、10mm未満の結石については、水分を多めに摂取し、鎮痛薬を服用しながら自然に排出されるのを待つことが一般的です。このサイズの尿路結石は、約70%が自然に排石されるとされており、2mm以下で平均8日、2〜4mmで12日、4mm以上で22日程度で排出されることが報告されています。しかし、結石が自然排出できない場合や大きい場合は、治療が必要です。治療法としては以下の方法があります。

体外衝撃波砕石術(ESWL)

ESWL装置の治療台に寝た状態で、体の外から結石に向けて衝撃波を照射し、結石を砕く方法です。砕かれた結石は尿とともに排出させます。

経尿道的結石除去術(TUL)

尿道から細径の内視鏡を挿入し、レーザーなどで結石を砕いたり、取り除いたりする方法です。

経皮的結石除去術(PNL)

背中から腎臓に穴を開け、内視鏡を挿入して、レーザーなどで結石を砕いたり、取り除いたりする方法です。

これらの方法で治療が難しい場合に、開腹手術を行うことがあります。適切な治療法を選ぶことで、尿路結石を効果的に治療することができます。

まとめ

尿路結石は、腎臓や尿管、膀胱、尿道に結石が形成され、激しい痛みや血尿、嘔吐、発熱などの症状を引き起こします。主な原因として、食生活の乱れ、生活習慣病が関与しており、特に肥満や糖尿病、高血圧がリスクを高めることで知られています。予防には十分な水分摂取とバランスの取れた食生活を心がけ、適度な運動を習慣にすることが大切です。尿路結石の治療は、結石の大きさや症状に応じて異なり、尿検査やX線(レントゲン)検査、CT検査、超音波検査を実施した後、体外衝撃波砕石術(ESWL)や内視鏡を用いた手術が選択されます。
尿路結石は、適切な予防と治療を行うことで、恐れるべき病気ではありません。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
四谷メディカルキューブ 泌尿器科では、尿路結石の診断から治療、再発予防まで専門的に対応しています。お仕事で多忙な方の早期結石除去にお応えするため、初診時に1回の受診で検査結果と治療方針を詳しく説明します。治療が必要な場合は、身体への負担が少ない内視鏡手術である経尿道的結石除去術(TUL)を1泊2日で施行しています。また、治療後には尿路結石の分析結果をもとに将来の再発リスクを低減するための説明を行います。糖尿病や腎機能低下が認められる方にはSGLT2阻害薬の使用を検討し、管理栄養士による個別の食事指導も実施しています。
尿路結石でお悩みの方は、四谷メディカルキューブ 泌尿器科にご相談ください。

※尿路結石症 再発予防プログラムについて
四谷メディカルキューブでは、患者さまの状態に応じて以下の尿路結石再発予防法を実施しています。
・糖尿病のある方
現状の尿路結石を評価(CTや採血など)した上で、適応がある場合にはSGLT2阻害薬の追加を検討します。
・腎機能低下が認められる方
現状の尿路結石を評価(CTや採血など)した上で、適応がある場合にはSGLT2阻害薬の追加を検討します。
・上記以外の方
現状の尿路結石を評価(CTや採血など)した上で、管理栄養士による食事栄養指導を検討します。

尿路結石症の治療に関するお問い合わせ・受診予約

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阿南 剛 医師 四谷メディカルキューブ 泌尿器科 科長

2008 年 名古屋市立大学医学部卒業。聖路加国際病院、東北医科薬科大学病院を経て、2022年 4 月より現職。東北医科薬科大学医学部 臨床准教授を兼務。日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・指導医、日本腎臓学会 腎臓専門医、日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医、日本レーザー医学会 レーザー専門医、日本尿路結石症学会 評議員、ほか。専門は前立腺肥大症や尿路結石症などの良性疾患の診断と治療で、これまでに 1,000 例以上のレーザー内視鏡手術を手掛ける。