診療内容
特に原因がなく腋窩(わきの下)にのみ発汗が増加する「原発性腋窩多汗症」と、わきの下から特有の不快な匂いが放たれる「腋臭症(わきが)」の治療を行っています。
原発性腋窩多汗症(わき汗)・腋臭症(わきが)
原発性腋窩多汗とは
明らかな基礎疾患がないにもかかわらず、腋(わき)からの発汗が過剰で日常生活に支障を来す状態を指します。思春期以降に発症することが多く、緊張や高温環境下で増悪します。
腋窩多汗症の重症度は、Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)を用いて生活への支障度を点数化して評価します。
腋臭症(わきが)とは
腋(わき)の下にある汗腺のうちアポクリン汗腺からの分泌物が皮膚常在菌に分解され、特有の体臭を生じる状態を指します。衣類の黄ばみや家族歴を伴うことがあり、臭気の強さや社会生活への影響に応じて治療適応を判断します。
腋窩多汗症と腋臭症(わきが)は併存し得ます。当院では、症状の性状(汗量・臭気)、生活への影響、ダウンタイム許容度、効果持続性等を総合的に評価し、適切な治療を提案します。
診断方法・治療方法・費用
診断方法
当院では患者さまの希望と診断から、段階的治療を行います。治療方法や適応についての詳細は、診察時に医師にご確認ください。
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1.問診:発症時期、誘因(高温環境下・緊張等)、家族歴、就学・就労への影響確認
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2.身体所見:腋窩(わきの下)の湿潤・臭気の評価
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3.重症度評価:Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)の点数評価(1〜4点)
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4.必要に応じた補助検査:ヨウ素デンプン試験等による発汗分布の視覚化
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5.鑑別:二次性多汗(甲状腺機能異常、薬剤性等)、皮膚感染症、接触皮膚炎の有無ほか
治療方法・費用
1)外用療法
- 抗コリン外用薬
- 保険適用です。コリン作動性刺激の抑制によりエクリン汗腺からの発汗を抑える効果が期待されますが、効果持続時間が短いこと、皮膚への刺激感、口の渇きや眠気などの副作用のために継続使用が困難な方もいらっしゃいます。
- 塩化アルミニウム
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汗腺を一時的に塞ぐことで発汗を抑える効果が期待されます。
使用方法は、主に就寝前に発汗部位に塗布するもので、自宅で簡単に行える治療法です。
効果を実感するまでには約2~3週間かかることがあり、治療の効果を持続させるためには継続的な使用が重要です。
ただし、症状が重度であったり、十分な効果が得られない場合には、他の治療法の検討が必要となることがあります。
塩化アルミニウム外用薬は保険適用外(自費治療)です。当院では、3種類の濃度の外用薬をご用意しております。- 濃度10%:1,650円(税込)
- 濃度20%:2,200円(税込)
- 濃度30%:2,750円(税込)
個々の症状に適した外用薬(塩化アルミニウム)を処方しております。
2)無痛ミラドライ(キズも痛みもなく半永久的に効果がある治療)
ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺(エクリン汗腺・アポクリン汗腺)を焼灼・凝固させる保険適用外の自費治療です。
皮膚を切らないため、傷を残しません。また、効果は半永久的に持続します。
日本では、原発性腋窩多汗症に対してのみ薬事承認を取得しており、米国では、腋窩多汗症、腋臭症、減毛の適応でも医療機器としての承認取得をしています。重度な有害事象としては、 3度熱傷、橈骨神経の損傷が報告されています。
当院では、日本麻酔科学会認定の麻酔科医による静脈麻酔を行い、痛みを感じずに施術することができます。
治療は、毛穴から1㎝離して1回照射するシングル照射(通常照射)と、汗が出る範囲全体に照射を行い、さらに同じ部位に対して重ねて照射を行う広範囲ダブル照射があり、効果・ダウンタイムには個人差があります。
広範囲ダブル照射は、上腕からワキの下、胸の横側までの発汗量の減少と、臭いの改善を実感できる非常に満足度の高い治療です。
国内で行われたワキ汗、ワキの臭いに対するミラドライのダブル照射に関する研究では、汗腺の破壊率がシングル照射の73.2%に対し、ダブル照射は92.2%と、大幅に高い効果が示されています。また、シングル照射とダブル照射のどちらにおいても、表皮や神経の損傷は認められませんでした。
(引用元:Pathological Changes in Axillary Hyperhidrosis and Axillary Osmidrosis Induced by Microwave Treatment: Comparison of Single‐and Double‐Pass Irradiation. Lasers in Surgery and Medicine 2021)
この研究結果より、ダブル照射はシングル照射と比較して、表皮や神経への損傷を増加させることなく、より効果的に汗や臭いの原因となる汗腺を破壊することが示されており、当院ではダブル照射を推奨しております。
術後の痛み・腫れに対しても鎮痛薬の処方・わきの冷却によるコントロールを行います。
術後の圧痛への対策として、PECSブロック(神経ブロック)を実施します。施術当日の痛みには有効です。
- 施術時間
- シングル照射 70~80分
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広範囲ダブル照射 180~240分
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※マーキング・麻酔・照射・アフターケア説明を含みます。
時間は体型や照射範囲により前後します。
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- 施術方法
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日本麻酔科学会認定の麻酔科医による静脈麻酔を併用して実施します。
痛みを感じることはありません。 - 治療費用
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シングル照射 231,000円(税込)静脈麻酔込み
広範囲ダブル照射 352,000円(税込)静脈麻酔込み-
※ミラドライ治療は、糖尿病、抗凝固療養中・免疫抑制治療中などは、皮膚反応・感染・出血のリスクに留意が必要です。
ペースメーカー、他の電子機器が埋め込まれている方、治療部位の近くに金属製のインプラント等が埋め込まれている方、妊娠中の方は治療不可または慎重適応となる場合があります。
また、局所麻酔薬にアレルギーのある方、創傷治癒に問題があると判断した場合も治療はできません。
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ミラドライに関する補足情報
- 治療内容:重度の腋窩多汗症・腋臭症のミラドライ治療(自由診療)
- 治療期間及び回数:1回
- 治療費用(税込):231,000円〜352,000円
- 主なリスクや副作用:治療部位の腫れ・痛み・硬結・知覚鈍麻様違和感・色素沈着
患者さまからよくある質問(FAQ)
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治療後、当日から仕事は可能ですか。
外用療法は多くの方が当日より通常生活に復帰可能です。ミラドライは術後に腫脹・圧痛・硬結・しびれ様違和感が数日〜1週間程度みられることがあり、重労働・長時間の腕上げ作業は数日間控えることを推奨します。
日常生活は多くの方が翌日以降再開可能です。
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ミラドライ治療の痛みはどの程度ありますか。麻酔は行いますか。
ミラドライの施術は静脈麻酔にて行うため、術中は痛みを感じることなく眠っていただきます。
術後の痛みに対しては、眠っている間の神経ブロック(PECSブロック)、鎮痛薬の処方などでできるだけつらい痛みがないよう配慮しています。術後に痛みが強い場合は、遠慮なくご連絡ください。
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わき汗にもニオイにも効果がある治療はありますか。
ミラドライはエクリン汗腺・アポクリン汗腺に作用するため、汗量と臭気の双方の改善が期待できます(個人差があります)。
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それぞれの治療効果の持続期間はどのくらいですか。
ミラドライは長期的な改善を目指す治療で、効果の持続には個人差があります。
外用療法は使用中の効果が中心です。
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再施術は可能ですか。
可能です。ミラドライは症状やご希望に応じて追加照射を提案する場合があります。
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ミラドライ後の過ごし方(入浴・運動・飲酒・制汗剤)はどのようにすればよいでしょうか。
当日はシャワーOK、入浴・サウナは数日間控えてください。激しい運動・飲酒は24〜48時間程度控えることを推奨します。
ミラドライ後は皮膚刺激を避けるため、制汗剤の再開は数日後、皮膚状態をみてからにしてください。
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予防的な薬(抗菌薬・ステロイドなど)は必要ですか。
皮膚状態やご体質、照射範囲によっては、短期間の鎮痛薬や外用/内服薬を併用することがあります。標準的な処方内容は診察時にご説明します。
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未成年でも治療可能ですか。
可能です。ただし、保護者の同意が必要です。成長・生活環境を踏まえ、治療選択を慎重に行います。
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予約から診察当日までの流れを教えてください。
初診(問診・HDSS評価・適応判断)→治療選択→施術→アフターケア説明→必要時の再診、の順に行います。
ミラドライ施術日は腋(わき)の剃毛を3日前までに済ませ、ゆったりした衣服でご来院ください。
診療スタッフ
安心・納得できる医療を提供します。
腋窩多汗症や腋臭症は、様々な場面で患者さまの生活の質を落としてしまう病気です。じっくりとお話を伺い、患者さまが安心・納得できる医療を提供します。
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黒川 良望(YoshimochiKurokawa)- 資格
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日本外科学会認定 外科専門医・外科指導医日本消化器外科学会認定医日本レーザー医学会認定 レーザー指導医日本内視鏡外科学会 名誉会長医学博士
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減量・糖尿病外科センター 副センター長
腹部ヘルニア総合センター 副センター長
臨床研究管理部 部長関 洋介(Yosuke Seki)- 資格
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日本外科学会認定 外科専門医・外科指導医・外科認定医
日本内視鏡外科学会認定 技術認定取得者(消化器・一般外科領域)・評議員・学術委員会・国際委員・教育委員・内視鏡下縫合結紮手技講習会講師
日本肥満症治療学会 評議員・データベース委員・教育委員・肥満症治療学展望編集員・学術研究推進委員
麻酔科標榜医
医学博士
順天堂大学非常勤講師
一般社団法人 GERD・LPRD診療ネットワーク 代表理事
International Federation for the Surgery of Obesity (IFSO), regular member
International Federation for the Surgery of Obesity, Asia-Pacific Chapter (IFSO-APC), library committee (chair)
Asia-Pacific Bariatric and Metabolic Surgery Society (APMBSS), lifetime member
Endoscopic Laparoscopic Surgery Asia (ELSA), lifetime member - 受賞歴
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2023年度 日本肥満症治療学会 川村賞
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春田 英律(Hidenori Haruta)- 資格
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日本外科学会認定 外科専門医・外科指導医日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・消化器内視鏡指導医日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医・消化器外科指導医日本内視鏡外科学会認定 技術認定取得者(消化器・一般外科領域)・内視鏡下縫合結紮手技講習会講師日本食道学会認定 食道科認定医日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医医学博士ミラドライ公式認定医
外来予定表
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 関※2 | |||||
| 午後 | 黒川※1 | 春田 | 黒川 | 黒川※3 |
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※1第1・3月曜のみ
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※2第4土曜のみ
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※3第2・4土曜のみ