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四谷メディカルキューブ 胆石症とは

胆石症とは

胆石とは

胆石の種類

胆石(たんせき)とは、肝臓や胆嚢(たんのう)、胆管にできる結石(石)です。 結石がどこにあるかによって、[1]肝内結石、[2]胆嚢結石(胆のう結石)、[3]胆管結石(総胆管結石)という名称がついていて、それぞれ症状も違います。

胆石の他にからだにできる石としては、尿の通り道にできる尿管結石・膀胱結石、腎臓にできる腎結石などがあります。そのほか、すい臓や胃、腸、唾液腺などにも石ができることがあります。

「この前、腎結石の治療をしたのに、今度は胆嚢に胆石ができた・・・!?」

ということがあると、前の治療が悪かったから?と心配する人がいますが、そうではありません。
それぞれ石のできる仕組みが違うので、今回の胆石は前回の治療とは全く無関係とご理解ください。

日本の統計では、胆石のうち最も多いのが胆嚢結石(胆のう結石)で78%、次いで総胆管結石が21%、肝内結石は1.3%とされています。それぞれの名前の後ろに「症」をつけて、胆嚢結石症、総胆管結石症、肝内結石症というと、病気の状態を表します。一般的に胆石症というと最も多い胆嚢結石症をさしますが、そのほかにもいろいろな胆石症があることが分かります。胆石(胆石症)といっても、できる場所によって原因も症状も治療方法も異なりますので、胆石の治療をする場合には正しい診断が必要です。

胆石ができる場所

胆石のできる場所

胆石のできる場所は、肝臓、胆管、そして胆嚢です。

肝臓は、右手をちょうど小指が右の肋骨の下(肋弓といいます)になるように当てたとき、その手のひらの奥のほうにあります。重さは、男性で1,000~1,300g、女性で900~1,000g、体重の約50分の1にあたります。肝臓では消化液である胆汁が作られます(この胆汁が何らかの原因で固まると胆石になります)。

肝臓でできた胆汁は、胆管という直径約0.8cmの管を通って肝臓の外にでて十二指腸に流れ込みます。便の黄色は胆汁の中の「ビリルビン」という成分の色です。そのため、何らかの理由で胆汁が十二指腸に流れてこなくなると、便の色が白くなる症状になってしまいます。

胆汁は一日に600~1000ml排出されるのですが、直接十二指腸に流れ込むわけではなく、一時的に胆嚢(胆のう)に貯蔵されます。胆石が最もできやすい場所である胆嚢は、握りこぶしぐらいの大きさ(長さ約8cm)のナスのような形の袋で、胆管から枝分かれをして存在し、一部は肝臓にくっついて固定されています。胆嚢の位置は、みぞおちと右のわき腹を結んだ線の真ん中あたりの奥のほうにあります。 胆嚢は、一時的に胆汁を貯蔵している間に胆汁内の水分や電解質を吸収し、濃い胆汁を作ります。また、油脂の多い食事をしたり、生卵(特に卵黄)を食べると、胆嚢が収縮して胆汁を十二指腸に送り出して、油脂の分解を助けます。 胆石のできる場所である肝臓、胆嚢の位置は図に書くと右のようになります。

胆石の原因

胆嚢結石(胆石)ができる原因はいくつかあり、この原因によってできる胆石の種類も異なります。

最も多い胆石は、コレステロール結石といわれるものです。
肝臓の働きのひとつにコレステロールの代謝(排出)があります。コレステロールは水に溶けないので一部は胆汁の中に溶け込ませて肝臓外に排出します。胆汁の中のコレステロールと胆汁酸のバランスが崩れると、コレステロールが結晶化して胆石のもとになります。このコレステロールの結晶が胆嚢粘膜から分泌されるムチンというたんぱく質によってくっつきあって結石になっていきます。これがコレステロール結石です。

胆石ができるその他の原因としては、大腸菌の感染(ビリルビンカルシウム石)、溶血性疾患(黒色石)などが挙げられます。

胆石の症状

胆嚢結石(胆石)があるからといって、必ずしも症状があるわけではありません。胆嚢結石をもっている人の23%は無症状といわれていますが、ひょっとするともっと多いかもしれません。

症状には自分でわかる「自覚症状」と検査などで分かる「他覚症状」があります。

胆嚢結石症(胆石)の自覚症状のNo.1は、「右季肋部痛(みぎきろくぶつう)」です。右の肋骨の下あたり(右肋弓下)に差し込むような痛みを感じ、背中に抜けるような痛み(放散痛)を伴うこともあります。胆石の痛みは決まったところだけが痛むのではなく、人によって、みぞおち(心窩部痛)、おへその上のほう、右の肩甲骨(けんこうこつ)の下の方、腰のあたり・・・といろいろな場所に痛みの症状がでます。「右肩こり」と表現する人もいます。痛みの種類も鋭く差し込むような痛み(疝痛、せんつう)や鈍い重苦しい痛み、肩こりのように張った感じ、など一様ではありません。

痛みのほかにしばしば認められる症状は「発熱」です。これは胆石により胆嚢内の胆汁がとどこおり細菌感染をおこすことによっておきる症状です。悪化すると急性胆嚢炎という状態になり、腹痛とともに38度以上の熱がでることもあります。痛みがはっきりせず熱だけがでるような場合は診断が難しいので、胆嚢結石(胆石)による発熱を「風邪」として治療して症状が増悪することもあります。右の肋骨の下の方のおなかを触ると他の部分よりおなかが硬く感じたり、押すことによって痛く感じたり(圧痛)することによって診断される事もありますが、自覚症状として腹痛がないとなかなか気づきにくい(診断されにくい)のです。

さらに、胆石が胆道にはまり込んだり、胆嚢が炎症を起こして腫れあがったりすると、胆汁の流れが悪くなり「黄疸(おうだん)」や「肝機能異常」などの症状を起こすことがあります。
肝機能異常は採血をして、肝逸脱酵素(GOT/GPTまたはAST/ALT)を測定すればわかります。黄疸は胆汁の色素であるビリルビンによってひき起こされる症状です。採血でビリルビンを測定すれば分かりますが、黄疸が進行すれば眼球結膜(白眼、しろめ)や皮膚が黄色くなるなどの症状がでるので、自分でも分かります(みかんの食べすぎによって黄色くなるのは黄疸ではありません)。

胆嚢結石をもっている人は、発熱やお腹の痛みなどの症状を感じたら「胆石のせいかも?」と、担当の医師にお話したほうがよろしいでしょう。「おなかのかぜ」と胆嚢炎の区別は往々にして難しいことがあるためです。

また、おなかが痛んだり、発熱があったりなど症状のある胆石は治療・手術をおすすめします。特に痛みの症状が出てきた場合は、早めの治療・手術をおすすめします。

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