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当院の治療方針について

当院では、手掌多汗症に対して外科的治療を行っています。

日本皮膚科学会による原発性局所多汗症診療ガイドラインでは、外科的治療は内科的治療に抵抗性を示す方に対して行うことが推奨されています。

内科的治療には、塩化アルミニウムによる外用治療、イオントフォレーシス、ボトックス注射による注射療法、内服治療があります。

外用治療:塩化アルミニウム
液体の塗り薬で、汗腺を塞いで発汗を抑える効果があります。治療の第一選択として推奨されています。継続して外用することが重要ですが、皮膚がかぶれてしまい続けられない方も多くいらっしゃいます。また、発汗量が多い場合、効果が限定的となることがあります。
イオントフォレーシス
手のひらや足裏を水道水の入った容器の中に浸し、微弱な電流を20分程度流す方法です。塩化アルミウムと並び、第1治療法とされています。はじめは連日、汗の量が減ってきたら数日間毎に繰り返します。軽症から中等症の多汗症までの方に有効とされています。ただし根治的治療ではないため、継続的に治療を続けなければなりません。
注射療法:ボトックス注射
エクリン腺の活動を抑制して過剰な汗の分泌を抑える治療です。第2選択の治療法として推奨されています。重症度に応じた投与単位数に統一の見解がなく、施術の際の痛みのコントロールも難しいことなどから、保険適応外の治療となります。効果持続は長くて半年程度とされますが、2週間程度しか効果がないという方もいらっしゃいます。
内服治療
保険適応がある抗コリン薬と漢方薬などが使用されます。手掌多汗症の患者さまは、発汗に対する恐怖心で情緒不安定になることがあり、自律神経失調症に効果のある自律神経調整剤や抗不安薬で抗コリン作用をもつ抗うつ薬が有効との報告があり、これらの薬を併用することがあります。抗コリン薬はエクリン汗腺からの発汗を抑える効果が期待されますが、効果持続時間が短いこと、口の渇きや眠気などの副作用のために継続使用が困難な方もいらっしゃいます。

手術には代償性発汗という副作用も伴うため、本当に手術が必要かを見極める必要があります。当院の手術適応は、原則内科的治療を実施したにもかかわらず改善が見られなかった方としております(手術療法を希望されて来院しても、診察時に手汗の程度が軽く、日常生活がそれほど制限されていない方には内科的治療をお勧めすることがあります)。しかし、手に水滴ができてしまう、汗がしたたり落ちてしまうといったLevel 2・3の手掌多汗症の場合、内科的治療では十分な効果が得られないことも多く、すでに日常生活に支障を来している方もいらっしゃいます。重症の手掌多汗症の場合には、患者さまに十分な情報を提供したうえで、治療方針を決めさせていただきます。

治療法の実際

外科的治療として胸腔鏡下交感神経遮断手術(ETS)を行っております。

当院での手術は以下の3点の考えが原則となっています。

  • 手のひらの汗を確実に減らすこと
  • 患者さまに負担の少ない治療をすること
  • 代償性発汗に配慮すること

胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)について

全身麻酔で行います。胸の横に3㎜、腋窩に3~5㎜の傷をつけます(両側を手術する場合には、4つの傷がつくことになります)。胸腔鏡を挿入して、モニターを見ながら手術を行います。胸部交感神経幹を確認し、T3・T4の交感神経幹を遮断します。(当院では、遮断した交感神経幹を元に戻す手術は実施しておりません)手術時間は10分程度ですが、癒着や体型などが原因で手術時間が長くなることがあります。癒着や体型などが原因で、手術時間が長くなることがあります。患者さまの希望に応じて、T3もしくはT4のみ、片側(利き手)のみの遮断など、柔軟に対応しております。傷あとは手術直後から目立ちません。また傷は極めて小さいので、手術後の痛みを訴える患者さまは、ごくわずかです。

期待される効果
確実に神経幹が遮断された場合、手術直後から手の汗が止まります。決してカサカサになるわけではありません。汗が止まる範囲は、両手・腋・胸の上から首付近にかけてです。腋の汗は80%程度の方、足裏の汗は50%程度の方が減ったと自覚されます。
副作用として出現する代償性発汗について
治療後に9割の方が、背中、胸、胴回り、お尻、ふともも、ひざの裏などに汗が増えたと感じる代償性発汗を発症します。治療の前に詳しく説明し、患者さまの生活スタイルや職業、悩みの大きさを踏まえ、手術をするか判断させていただきます。手術を検討する際は、代償性発汗のリスクを十分にご理解したうえで判断してください。手術後は、3ヵ月後に経過を確認しています。お困りのことがあればご相談ください。

治療の流れ

  1. 初診
    多汗症治療の説明

    同じ症状をもつ患者さまに、多汗症とその手術について詳しく説明します。

    手汗の状態と手術内容を理解することが重要です。

    診察

    グループ説明会後、順次お一人ずつ診察を行います。職業や生活状況、悩みなどをお伺いし、患者さまと一緒に治療を選択します。治療のメリット・デメリットを比較検討し、判断することが大切です。

    手術が必要と判断された場合、手術日を決定します。

    • 個別に診察を行うため、長い待ち時間が発生する場合がございます。予めご了承ください。
    手術前検査
    手術前の検査として、心電図、肺機能、血液検査、胸部X線検査の4項目を実施し、他の病気が隠れていないか、全身麻酔に耐えられるかどうかをチェックします。
    麻酔科診察(概要説明)

    手術を安全に行うために、麻酔科医師による診察を行います。

  2. 手術
    手術当日(午前中)に来院していただき、手術を行います。手術後は、4時間程度休んでいただいたのち帰宅となります。手術後にお困りのことがあればご相談ください。これまで7,400例の臨床経験にもとづき、アドバイスいたします。
  3. フォローアップ外来
    手術後3ヶ月目に胸部X線検査・診察を行い、手術の効果を確認します。代償性発汗を認める場合には、その程度に応じた治療を提案します。
  4. 代償性発汗の治療
    当院では、患者さまの状態に応じて内服治療や外用治療、ミラドライ治療を行っています。
  5. 経過観察
    必要に応じて、定期的に手汗の状態と代償性発汗の治療効果を確認します。

手術当日のスケジュール

手術前処置はありません。
下剤・浣腸・術前点滴の使用を控え、ストレスフリーで歩いて手術室に入室します。
身体的負担の少ない手術を行います。
全身麻酔を行い、胸腔鏡を用いて手術をします。
手術時間は、左右両側を施行したとしても計10分程度です。麻酔の準備と手術後の覚醒時間をいれて、手術室の滞在時間は40分程です。
手術当日の夕方には帰宅できます。
手術後は、病棟で4時間程度休んでいただいたのち帰宅となります。(遠方の方など、2割程度の方が1泊入院されます。)
多くの方が翌日から普段どおりの生活を送ることができます。

入院費用の概算(3割負担)

健康保険の適用となります。3割負担の場合のおおよその目安です。

120,000~130,000円

  • 高額療養費制度の対象となります。所得によって決められた自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。入院会計時に「限度額認定証」をご提出いただくと、上記金額より自己負担額を軽減することができます。
  • 差額室をご利用の場合は別途となります。

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