女性泌尿器科

女性泌尿器科外来について

診療科紹介

泌尿器科は女性にとって特に受診しづらい科とされてきました。しかしながら、いわゆる“おしもの不具合”は女性にとって決してまれではありません。女性泌尿器科では女性患者さんのQOL(quality of life:生活の質)の向上を目指しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
特に尿失禁の手術療法としては、TVT手術TOT手術、筋膜スリング手術を、子宮脱などの骨盤臓器脱(性器脱)の手術療法としては、TVM手術やメッシュを使用しないご自分の組織で修復するNTR法などを採用しています。その他間質性膀胱炎、尿道憩室、膀胱腟瘻など、女性泌尿器科領域の様々な手術を行っています。手術は当院のきずの小さな手術センターにて、年間300件以上実施し、手術までの待機期間は1~2ヶ月となっております。

女性泌尿器科の主な疾患と治療法

女性泌尿器科では主に以下の疾患を扱っています。

尿失禁(尿もれ)
  • 骨盤底筋体操
  • 電気刺激療法
  • 薬物療法
  • 手術療法

尿失禁(尿漏れ)にもいろいろなタイプがあり、タイプによって治療方法も違います。
女性において主なものは以下のとおりです。

①腹圧性尿失禁
咳やくしゃみなど、お腹に力が入ったときにもれてしまうタイプの尿失禁です。
骨盤底筋体操、電気刺激療法、薬物療法、手術療法で治療します。

②切迫性尿失禁
急に尿がしたくなり、トイレに間に合わずにもれてしまうタイプの尿失禁です。
骨盤底筋体操、電気刺激療法、薬物療法で治療します。

③混合性尿失禁
腹圧性と切迫性の両方がある場合を言います。腹圧性の要素が強ければ手術療法を、切迫性の要素が強ければ薬物療法を行うなど、ケースバイケースで対応します。骨盤底筋体操も有力な治療法となります。

骨盤臓器脱(性器脱)
  • 骨盤底筋体操
  • 膣内補助具
  • 手術療法

子宮脱などの骨盤臓器脱(性器脱)とは、膣から膀胱・子宮・直腸などが下がってきて、下垂感、違和感、下腹部痛、排尿困難などが出現する病気です。
>>骨盤底筋体操看護外来(看護師がお話を伺い、実際に骨盤の筋力の度合いを測定して、その患者さまにあったプログラムをお作りします)

頻尿、過活動膀胱
  • 生活指導
  • 骨盤底筋体操
  • 電気刺激療法
  • 薬物療法
  • 膀胱訓練

急に尿がしたくなり、そのため頻尿になっている状態を過活動膀胱と言います。また急に尿がしたくなった時にトイレまで間に合わずにもれてしまうというような、切迫性尿失禁がある場合もあります。

間質性膀胱炎(膀胱部痛症候群)
  • 生活指導
  • 薬物療法
  • 膀胱水圧拡張療法

尿路感染や癌などはないのに、下腹部(膀胱部)の痛み・違和感があり、そのため頻尿になっていることが多い原因不明の病気です。

急性膀胱炎
  • 抗生物質の内服や点滴

体力が落ちた時などに細菌が膀胱の中に入り込むために起こる膀胱の炎症です。排尿時痛、頻尿、尿混濁、残尿感などの症状が出現します。症状が進行してしまうと細菌が腎臓にまで入り込み、高い熱や腰部痛が出現します。

そのほか健康診断で血尿を指摘された、慢性骨盤痛症候群(明らかな原因がないのに下腹部に痛みがある)、膣痛症(膣に痛みがあり赤くなっていたりする)、女性性機能障害(セックスしたいのに何らかの理由でできない)、なども扱っています。そのほかでも気になる症状がありましたらお気軽にご相談下さい。

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主な検査方法

症状に応じて以下の検査を適宜行います。

尿検査 出血、感染等がないか調べます
内診 女性における排尿の症状は骨盤底の状態が大きく影響します。
子宮脱などの骨盤臓器脱の有無、骨盤底筋の強さ、咳をしたときに実際に腹圧性尿失禁が出現するか、神経反射の状態などを調べます。
排尿日誌 24時間あたりのご自分の排尿量、排尿回数、尿意の強さ、尿失禁の有無や飲水量などを記録してもらい排尿の状態を把握します。
パッドテスト 24時間あたりの漏れた尿の量をパッドの重さとして測定し、重症度の目安とします。
超音波検査 尿路(腎臓、膀胱)や周辺臓器(子宮、卵巣など)に異常がないか調べます。
尿流量測定/
残尿測定
排尿の機能検査です。尿の勢いと残尿(排尿後に残っている尿量)を調べます。
膀胱鏡検査 内視鏡を使って膀胱の中を見る検査です。
内圧流量検査 排尿の機能検査の中でもより詳しいものです。膀胱にどれくらい尿がためられるか、膀胱の異常収縮はないか、膀胱の収縮力、尿道の閉じる力などを調べます。保存的治療が効かない場合や手術療法を考慮する際に行われます。
MRI 腹圧性尿失禁骨盤臓器脱を詳しく評価する画像検査として当院ではMRIを行っています。着衣のまま検査でき、放射線被曝もありません。腹圧性尿失禁のMRIの例骨盤臓器脱のMRIの例

主な治療方法

骨盤底筋体操(ケーゲル体操)

女性の泌尿器科疾患(特に腹圧性尿失禁、子宮脱などの骨盤臓器脱、過活動膀胱など)の多くは骨盤の底を支える筋肉(骨盤底筋群)や靱帯の緩みが原因です。そのため骨盤底筋体操(ケーゲル体操ともいいます)はとても有効な保存的治療法です。根気良く、継続する事が大切です。当院では看護師による骨盤底筋体操指導外来を行っています。

膀胱訓練

尿が漏れてしまうため十分に尿をためずに排尿してしまう癖をつけてしまいますと、膀胱はますます尿をためにくくなり、尿を出す力が弱くなってしまうことが多くなります。そこで適正な排尿量を把握してもらうため排尿日誌を記載して頂き、必要であれば尿をためる、すなわち排尿を我慢するという膀胱訓練も頻尿や切迫性尿失禁の治療に有効です。

電気刺激療法

骨盤底の筋肉群や神経に電気刺激を加えることによりその機能を向上させ、尿失禁、頻尿を改善させます。

薬物療法

◆腹圧性尿失禁
β刺激薬;尿道の抵抗をあげて腹圧がかかっても尿が漏れるのを防ぐ効果があります。軽症の方に有効です。

◆切迫性尿失禁、過活動膀胱
抗コリン薬;膀胱をリラックスして尿をためやすくし、膀胱の勝手な収縮を抑える効果があります。
その他、抗うつ剤、漢方薬なども有効な場合があります。

◆間質性膀胱炎
知覚過敏状態を緩和させるため抗うつ剤、抗コリン剤が有効なことが多く、アレルギー疾患とも考えられているため抗アレルギー剤が有効なこともあります。
そのほか漢方薬が有効な場合があります。

手術療法

腹圧性尿失禁に対する手術骨盤臓器脱に対する手術も行っています。また、間質性膀胱炎に対する膀胱拡張水圧術にも対応しています。
女性泌尿器科良性疾患に特化しているため、内容にもよりますが、手術までの待機期間は1-2ヶ月となっています。

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