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腹腔鏡(補助)下子宮筋腫核出術について
術式は大きく分けて、筋腫のできている子宮そのものを摘出する子宮全摘術と、筋腫だけを取り除く子宮筋腫核出術に分けられますが、妊娠を望まれたり、子宮全摘出をすることに大きな抵抗感を感じる等の理由から、多くの方が、筋腫だけを取り出し子宮を温存する子宮筋腫核出手術を希望されます。
この子宮筋腫核出手術は開腹、腹腔鏡下(内視鏡下)の両方で行われていますが、四谷メディカルキューブでは、きずが小さく、低侵襲で社会復帰が早くできる腹腔鏡下(内視鏡下)での手術を行っています。
腹腔鏡下手術と開腹手術の比較
| 腹腔鏡(補助)下手術 | 開腹手術 | |
|---|---|---|
| 傷あと | 0.5センチ~1センチが2~4ヶ所。 (補助下ではその内1ヶ所が3~5センチになる) |
10センチ~15センチ |
| 痛み | 弱い | 強い |
| 回復 (食事・歩行) |
1日目から | 2~3日目から |
| 退院 | 4~7日 | 12~14日 |
| 社会復帰 | 1~2週間 | 1ヶ月 |
| 術後癒着 | 少ない | 避けられない |
*回復、退院、社会復帰の期間はおおよその目安です
子宮筋腫核出術では筋腫の核出、子宮の修復、筋腫の回収という3工程が必要ですが、腹腔鏡を用いる場合、腹腔鏡下のみで筋腫を核出する方法(全腹腔鏡下子宮筋腫核出術)と、腹腔鏡および3~5センチ程度の小切開を組み合わせた筋腫核出術(腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術)があります。
全腹腔鏡下子宮筋腫核出術 laparoscopic myomectomy(LM)
(1)筋腫の核出
(2)子宮の修復
(3)筋腫の回収
腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術 laparoscopically-assisted myomectomy(LAM)
(1)筋腫の核出
(2)子宮の修復
(3)筋腫の回収
全腹腔鏡下での手術には、筋腫の大きさと数に制限がありますが、腹腔鏡補助下ではあまり制限を受けることがありません。そのため、全腹腔鏡下では無理と診断された大きな筋腫や多発性の筋腫も、小さなきずで取ることができます。 小切開を組み合わせると一ヶ所の創部がやや大きめですので、全てを腹腔鏡のみで行う場合に比べ、痛みがやや強いことと術後の癒着の可能性も否定はできませんが、開腹術に比べるとどちらも軽度である事は言うまでもありません。
当院では左のMRI画像で見られるような比較的大きな子宮筋腫(青線で囲んだ部分)の患者さまが多いため、大半の症例に対して後者の腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を採用しており、妊娠を考えられているなど子宮温存を希望される方には出来る限りお応えする方針です。 (このMRI画像の患者さまも、腹腔鏡補助下で核出しました)
子宮筋腫核出術の問題点と当院での対応
筋腫の再発
筋腫核出術を施行しても子宮を温存する限り筋腫が再発してくることがあります。特に多発筋腫の症例では再発の可能性が高いと言えます。
手術時に全くなかった筋腫が新たにできてくる事は防ぎようがなく、医療上の限界です。それに対し、手術時に取り残した筋腫が大きくなって後に問題となることはできるだけ避けたいものです。
当院の腹腔鏡補助下での手術では、小切開部分からの触診やエコーを使用して丁寧に確認しながら手術を進め、小さな筋腫も取り残しのないようにしています。
エコー検査機
手術中も先端が小さなエコーを使用して取り残しを防ぎます
取り出された多発性筋腫(202個)
術中の出血
子宮は血流が豊富な臓器であるため、その子宮を切開する筋腫核出手術は出血量が多くなる傾向にあります。特に大きな筋腫や多発している場合は出血量が増え、輸血が必要になることもあります。
当院では出血した血液を再び使用できる状態にする自己血回収装置(右写真)を用いて、術中回収式自己血輸血を行い、輸血の合併症を回避しています。
また、現在(2008年6月)までに他家血輸血(一般の輸血)の症例はありません。
子宮筋腫核出術後の分娩様式
子宮筋腫核出術後に妊娠した場合、分娩様式は通常の経腟分娩で良いか、帝王切開にした方が良いかは議論のあるところです。 子宮を切開した場合、その瘢痕部が脆弱になり分娩時に子宮破裂をおこす可能性があります。子宮内腔を穿破した場合や、内腔近くまで達するような筋腫の場合は帝王切開のほうが安全だと言えます。また表層の筋腫であっても、すぐ帝王切開のできる環境で分娩に望むのが良いでしょう。
腹腔鏡下子宮筋腫核出術の手術スタッフと実績
子宮筋腫の手術ではチームでの作業が大事です。周術管理はすべて婦人科専門医であるベテランの医師が関わります。当院ではウィメンズセンター長の子安医師(日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、同学会技術認定制度委員)を中心にチームを組み、2005年5月の開院から2011年4月までの6年間に1915件の手術を行っています。チームを率いる子安医師は5000件以上の実績を持っています。また2010年の腹腔鏡(補助)下子宮筋腫核出術手術件数は、130件でした。
当院では子安センター長、西尾医師、勢多医師の3名の日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が在籍しておりますが、同技術認定医は全国でも330名ほどしかいません。また同一施設に3名以上在籍する施設は20医療機関ほどしかなく、その多くは大学病院です。大学病院以外で3名以上在籍する施設は全国で10数施設です。当院はそのうちの一つとなります。
入院施設について
万全の体制と高い技術の医師で行われる手術であっても、患者さまには体力的にも精神的にも大きな負担となることにはかわりません。デリケートな期間を少しでも快適に過ごしていただけるよう、当院は全室個室(トイレ・シャワー付)で、ゆったりとしたスペースを確保しています。
腹腔鏡下子宮筋腫核出術を希望される方へ
まずは婦人科外来をご予約ください(予約電話番号:03-3261-0414)。現在すでに他病院・他医療機関におかかりであれば、紹介状をお持ちになることをお勧めいたします。
また、おかかりの医療機関からの紹介状をお持ちの方は、ご予約時にお申し出ください。 婦人科への手術を目的とした紹介状をお持ちの方の初診は、手術紹介枠でご案内しております。
費用について
当院の腹腔鏡(補助)下子宮筋腫核出術は自費診療で行っており、費用は132万円程度です。
支払い方法等については医療ソーシャルワーカーや医事課がご相談に応じておりますので、ご希望の方はTEL:03-3261-0401(代表)へお問合せください。






