当院のピロリ菌除菌治療実績が2000件を超えました
2010年までの除菌についてのデータをご紹介申し上げます。
四谷メディカルキューブでは2005年5月の開設以来、ピロリ菌感染の意義、病気との関係、日本の現状、検査法、治療法、その副作用などについて外来でご説明し、感染診断や除菌治療を希望される方の診療を続けております。2010年12月までに、除菌治療の件数は2000を超えました。そこで、当施設での除菌治療の成績についてご報告致します。(なお、これは尿素呼気試験などで除菌の成否が確認できた方の成功率で算出しています。処方だけを受け取り除菌の成否を尿素呼気試験などで確認していない方は、現在5.9%程度いらっしゃいます。)
ピロリ菌除菌の成功率
最近は抗生剤に対する耐性菌が増加しており、ピロリ菌除菌の成功率が徐々に下がっています。2000年当初は約90%程度の除菌は成功していましたが、最近の成績では全国的にみても70%-80%程度の報告が多くなっています。 初回の除菌治療に不成功の場合、その原因は、クラリスロマイシン耐性菌である可能性が高いため、除菌を成功に導くためには、薬剤の組み合わせを変えた除菌法が勧められる様になっています。このことを2次除菌(再除菌)といいます。2次除菌まで含めれば、ほとんどの方は除菌に成功することが確認されました。
一方、きわめて少数ながら2回とも不成功の方もおいでになります。その際さらにご希望であれば、ご相談をしながら3次以降の除菌を行なっております。このような方のピロリ菌は多くの薬剤に対して耐性を生じている場合もありますが、新しい薬剤を用いたり、投与日数を延長するなどして、成績のよい組み合わせも出てきました。現在行っている組み合わせの治療では9名全例が除菌に成功しています。
このほか、ペニシリンで皮疹が出たことのある方などの治療のご相談もお受けしております。現在、ペニシリンを使わないで除菌し成績の出ている方は10名いらっしゃいますが、8名が成功しております。
1次除菌の成績

- 1088例:成功 | 367例:不成功
- (計1455例)成功率74.8%
- ◇1次除菌の処方例
- (1)ランサップ800 朝・夕 / 7日(ランサップにはタケプロン・アモキシシリン・クラリスロマイシンが含まれています)
(2)パリエット20mg、アモキシシリン1500mg、クラリスロマイシン 400-800mg /7日
2次除菌の成績

- 364例:成功 | 29例:不成功
- (計393例)成功率92.6%
- ◇2次除菌の処方例
- パリエット+アモキシシリン+メトロニダゾール/7日
3次除菌の成績

- 15例:成功 | 8例:不成功
- (計23例)成功率65.2%
- ◇3次除菌の処方例
- プロトンポンプ阻害剤+アモキシシリン+ニューキノロン系抗菌剤/7ないし14日
(注:1次、2次除菌がともに不成功であった方を対象にしており、保険適応はありません。また、状況に応じて、これ以外の組み合わせを行うこともあります。)
ピロリ菌除菌の副作用の割合
ピロリ菌除菌の成否を確認する時に、必ず副作用についてうかがうようにしています。これにより1900人の方から、副作用の有無、その内容を調べることができました。
(注:副作用が2つ以上重なった例は1.2%あります)
これまでに入院を要するような重篤な副作用の方が2名いらっしゃいました。幸い、数日の入院で軽快されましが、抗生剤によるとおもわれる出血性腸炎でした。このほか、重症の薬疹、白血球減少などの副作用が生じうることが知られています。これらの副作用はピロリ菌の除菌に限ったものではありません。一般的にも、新たに薬剤を使いはじめたときは、ご自身の変化に注意しながら慎重にお過ごしになることが必要です。
| 副作用なし | 1400 | 73.7% |
|---|---|---|
| 下痢 | 136 | 7.2% |
| 軟便 | 115 | 6.1% |
| 苦味 | 163 | 8.6% |
| 皮疹 | 40 | 2.1% |
| 不快 | 38 | 2.0% |
| 胸やけ | 13 | 0.7% |
| 悪心・嘔吐 | 6 | 0.3% |
| 口内炎 | 5 | 0.2% |
| 頭痛 | 2 | 0.1% |






