ピロリ菌感染と関連疾患

ピロリ菌の感染源

ピロリ菌の具体的な感染の原因を個々に同定するのは困難なことが多いのですが、口から入って胃に定着するというルートで、胃に感染することは確かなようです。例えば、排泄される便、あるいは胃からの嘔吐物などが直接・間接に他人の口にはいる可能性が考えられています。井戸水の汚染があった事例も報告されています。

また、ピロリ菌感染者の口の中の歯垢や唾液にも存在する場合があり、これも感染源の一つかもしれません。

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ピロリ菌と胃の病気

ピロリ菌に関連する疾患としては、慢性胃炎 [感染者のほとんど全例]、胃・十二指腸潰瘍 [数%程度]、さらには胃癌(胃がん) [1%程度]、胃リンパ腫 [きわめて稀]があります。ただし、潰瘍や癌の病因には他の因子も知られており、ピロリ菌が唯一の原因というわけでありません。

ピロリ菌に関しては、最近約20年で研究が進み、除菌治療が行われるようになりました。 特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返した方がピロリ菌の除菌治療に成功すると、潰瘍が再発しなくなるようになることが知られてきており、この治療の恩恵に浴する多くの方が現れています。 また、ピロリ菌の感染により、胃がんをおこしうることも証明されました。これから、除菌することで胃がんの発症リスクが軽減することが期待されてきています。この他、一部の胃のポリープも除菌治療で消退することがあることが知られています。

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胃の病気以外の影響

ピロリ菌の感染と一部の血小板減少症や皮膚の慢性じんましんや緑内障などの意外な疾患で関連をもつものがあることについて徐々に研究、解明されつつあります。この他、最近の研究で、冠動脈の動脈硬化もピロリ菌の感染者の方が起こしやすい可能性が指摘され注目されています。

ピロリ菌の感染から生じる免疫学的な変化から、ときには全身的に波及するさまざまな影響があることが知られるようになり、現在、各分野で研究が進んでいるところです。

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