ピロリ菌外来

ピロリ菌外来

伊藤医師著 ピロリ菌
伊藤医師著
「ピロリ菌」

ピロリ菌の感染が心配な方や、すでに陽性と診断されていて除菌を希望している方を対象に、 ピロリ菌外来を行っております。ピロリ菌外来では、除菌治療についてその意義、方法、副作用、有効性の十分なご説明の上で、治療を御勧めしております。

菌の有無は、胃の病気に大きくかかわっており、胃がんのリスクでもあるため、検査をご希望の方も大勢いらっしゃいます。
当院では初回の除菌が成功していない方で、2次除菌、3次除菌を検討されている方についても相談をしております。
*ピロリ菌感染の検査を希望される方は、昼食を摂らずに来院ください。

ピロリ菌外来は木曜日の午後、伊藤医師が担当します。

【報告】当院での除菌治療実績

ピロリ菌(ヘリコバクター)とは?

ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)」は、「ピロリ菌」としてよく紹介されていますので、一度はこの名前をお聞きになったことがあるのではないでしょうか? 1982年にウォーレンとマーシャルが人の胃からの培養に成功し、翌年発表された細菌です。  ところが、胃内は酸性の環境で細菌が生育しにくいという「常識」があったため、当初はなかなか理解が得られなかったようです。しかしその後急速に研究が進み、ピロリ菌は慢性的に胃炎を起こす病原菌として認識されるようになりました。

ピロリ菌

■名前の由来
ヘリコバクターというのは「らせん菌」という意味で、ピロリ菌の本体が細長い螺旋状をしていることから命名されています。またピロリというのは胃の出口側である「幽門部」を示しています。

■ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の特徴
ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は大きさが3~4ミクロン程度ですが、片側に数本の細長い鞭毛を持ち、これを素早く回転させることで胃粘膜表面を自在に動き回ることができます。
また、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っているため、尿素を分解し、アンモニアを生成する能力があります。これによりピロリ菌は胃酸を中和することができ、菌体自身を守ることができるようです。またピロリ菌を培養するときには、酸素が少なく二酸化炭素の多い「微好気性」という環境にしないと生育しにくいという特徴があります。

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ピロリ菌は胃の病気のリスク

ピロリ菌感染率当院を受診された方の年齢別のピロリ菌感染率を調査してみました。
2005年5月から2006年12月までに検診などで来院された方でピロリ菌の感染診断を行った1433名について、感染状態を調査しました。ピロリ菌の感染診断は主として抗体検査ですが、同時に胃の内視鏡検査が行われており、必要な場合は尿素呼気試験などでも確認しています。すなわち、正確度の高いピロリ菌感染診断です。なお、予め感染状態が分かっていて来院された方については除外して集計しました。

1992年の浅香らのデータと比べると、10数年の時間経過と共にピロリ菌に感染している世代がそのまま高齢側に移動していることがわかります。すなわち、日本人の大人については現在半数以上が感染しているのは、60歳代以降となってきており、若年者ではピロリ菌に感染していない人の割合が高くなっています。
将来的には、日本全体で感染者が減少していくことは確実であり、これによりピロリ菌感染に伴い生じる潰瘍やがんなども減少する見通しです。これは、衛生環境の改善などで乳幼児のピロリ菌感染が減少していることが原因と思われますが、大人が新たに感染する機会が少ないことをも示しています。

なお、ピロリ菌に感染していることを知らずにすごしている方が大部分であり、胃の病気のリスクに関係する重要因子であることを考えると、積極的に一度はお調べになってみることが大切かと思います。「ピロリ菌感染がないこと」と「胃粘膜が健全であること」がわかれば、胃がんのリスクはきわめて小さいことがわかり安心できます。ピロリ菌感染があったときは胃を調べるきっかけとなります。また、治療法となるピロリ菌の除菌療法についての意義や方法、有用性、副作用、保険適応などをふくめてご理解されることが重要で、積極的治療を行うか、胃について検査を受けながら経過観察するのかを考えていただきたいと思います。ピロリ菌に関するご相談やご質問は、当施設をはじめ消化器科の専門医と相談されると良いと思います。

###これは1992年には発表された年齢別ピロリ菌感染率に関する浅香らの調査結果です。このときは40歳代以上の方で高率にピロリ菌感染が認められました。したがって、このまま数10年推移すれば、日本全体のピロリ菌感染者が大幅に激減することが見込まれます。またピロリ菌の除菌治療が増加すれば、ピロリ菌感染者の減少はさらに加速するでしょう。

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