胃カメラ(胃内視鏡検査・上部消化管内視鏡検査)について

胃カメラと胃内視鏡とは本来は異なるものですが、現在は両者があまり厳密に区別されずに用いられているようです。歴史的には、1950年に小型のカメラを胃内にいれて遠隔操作でフィルム撮影する検査が始められました。
画像を見ながら撮影することはできませんでしたが、胃内を観察する検査法として普及し、「胃カメラ」という名称が定着しました。胃カメラでは、検査後にフィルムを現像してはじめて様子がわかるという不便さがありました。機器が進歩し、1980年代には胃内の画像をガラスファイバーで検査医の手元に送り、これを見ながら検査する「ファイバースコープ(内視鏡)」が胃カメラに替わって一般的になりました。さらに1990年代に、固体撮像素子により画像を電気信号に変えて送る「電子内視鏡」が発達し、現在の検査の主流となっています。
したがって、現在の胃の検査機器の名称としては「胃カメラ」より「胃内視鏡」が正しいことになりますが、広く普及した「胃カメラ」という名称をそのまま使っている医師もいるようです。
さまざまな病気にさらされる胃の検査
上部消化管内視鏡は、食道、胃、十二指腸の病気が疑われるような場合、あるいは、胃がんの検診のために、行われています。
直接、食道、胃、十二指腸の内腔を観察し、必要なら病気の部位の組織採取もできるため、診断上きわめて有用です。
この検査で診断される病気としては、食道炎、食道がん、胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、胃がん、十二指腸潰瘍などがあります。
さらに、消化管出血の止血、胃ポリープの切除、胃癌の治療、誤飲した異物の除去などに用いられることもあり、いろいろな治療分野で応用されています。
レントゲン検査と胃カメラ(胃内視鏡検査)の違い
レントゲンと内視鏡の長所・短所をまとめると、下のようになります。それぞれ、長所があり、胃のレントゲン検査も有用なことが多いため、胃を切除する手術を受けるようなときには、両方の検査が必要になります。しかし、小さな病変を内視鏡で治療するときなどでは、省略されることも多くなりました。
| レントゲン検査 | 内視鏡検査 | |
|---|---|---|
| ○長所 |
・バリウムを飲用してレントゲン撮影する方法は、誰もが受けやすい検査である ・胃の全体像や病変の大きさ、位置関係がわかりやすい |
・比較的小さな病変や色調の変化を見分けることが可能で、診断能に優れている ・病変の組織採取ができるため、診断確定につながる ・レントゲン被爆がない ・治療的な処置もできる |
| ×短所 |
・診断確定には内視鏡検査が必要である ・レントゲンの被曝がある ・便秘がちの方はバリウムが排出しにくくなることがあり、下剤が必要となる |
・内視鏡をのみ込むことに抵抗感や苦痛を訴えられる場合がある(個人差あり) ・このため、検査の苦痛を取り除く鎮静剤が必要となることがある |
つらくない?!鼻から入れる内視鏡
通常は、細い内視鏡を口から入れて、食道の入り口まで誘導し、患者さまに内視鏡を飲み込むようにしていただき、さらに食道へ挿入します。
ところが、最近の内視鏡機器の進歩で、太さが直径6mm程度の内視鏡が実用化されたため、鼻腔に入れられる機種が登場するようになりました。細いことで画質や操作性に多少の制約はあるものの、通常の検診などには実用上は支障ないレベルの内視鏡です。
問題点としては、鼻を局所麻酔しますが、鼻腔が狭い方では痛かったり、鼻血を出すことがあります。長所としては、検査中の吐き気がやや軽減することが期待されています。検診の目的で行う場合は、患者さまにどちらがよいかを決めていただくことができます。ただし、治療処置を伴う内視鏡検査の場合は、細すぎる内視鏡では難しいことが多いため、通常通り口から内視鏡を挿入して行います。
| 口腔から挿入 | 鼻腔から挿入 | |
|---|---|---|
| ○長所 |
・内視鏡検査、処置全般に対応可能 ・鼻の通りが悪くても可能 |
・嘔吐反射が少なくなる ・口の違和感がない |
| ×短所 |
・口の中で嘔吐反射を誘発しやすい ・マウスピースをくわえる必要あり |
・通常の内視鏡は鼻腔に挿入不能 ・鼻の痛みや鼻出血がおこることがある |
胃内視鏡検査の予約から検査の流れ
検査当日と検査までの流れ
- 1 予約申し込み
- お電話にて消化器外来の受診予約をお願いします。その際、胃内視鏡検査を検討している旨お伝えください。
予約電話番号:03-3261-0430
- 2 外来受診
- 消化器外来にて医師の診察を受けていただき検査の予約をいたします。その際内視鏡検査と、使用薬剤の説明があります。
- 3 内視鏡検査説明
- 看護師よりパンフレットを用いた検査前・当・後日の生活・食事指導をいたします。
- 4 内視鏡検査前日
- パンフレットの内容をご参考にお食事してください。
- 5 内視鏡検査当日
- (1)受付
2階の検査受付においでください。
(2)前処置
・問診後、麻酔液を口に含んでのどに麻酔をかけます。
(スコープが細いので鼻から検査を受けることも可能です。その時は鼻に麻酔をします。)
・鎮静剤をご希望の方は検査室で注射をします。
・検査中の安全のために点滴をすることがあります。
(3)検査
内視鏡検査には検査医のほかに必ず看護師が同室し検査を受けられる方の状態を常に観察します。
(4)検査後
鎮静剤を使用された方は必ずリカバリールームで1時間以上安静にしていただきます。
(5)帰宅
検査を受けられた方お一人おひとりに合わせて看護師より当日以降の生活・食事指導をさせていただきます。
- 6 内視鏡検査結果説明
- 当日または後日、医師より写真をお見せしながら詳しく説明いたします。必要に応じて内服薬が処方されることもあります。
胃内視鏡検査を受けるときの注意点
■お食事にご注意ください。
検査前日の夕食は午後8時頃までに済ませてください。水分(牛乳、ジュース以外)は適度にとっても結構です。
検査当日は朝から食事を摂らないでください。水やスポーツ飲料、お茶など透明なものは飲んでも構いません。







