減量外科(肥満治療)
減量手術の目的と成果
肥満治療の一つである減量手術は、病的肥満の方を対象とした「糖尿病や心臓病などの肥満合併症によって行動を制限されたり死に至ったりするのを避けるため」、また「合併症を完治ないし改善するため」の治療法です。主要国際医学雑誌の一つである米国医師会雑誌JAMA(The Journal of the American Medical Association)に発表された論文では「20歳でBMI45の人は同年齢の正常体重者より余命が13年短くなる」との報告もされており、世界保健機関(WHO)でも肥満は重大な疾病とされています。
減量手術は、肥満先進国である米国では年間21万件以上が施行されている治療法です(日本での胃がん手術件数が年間1万7千件程度)。
十分な減量と長期に亘る減量後の体重維持が得られるばかりでなく、高度肥満を原因とする糖尿病や高血圧などの合併疾患を改善可能な治療法であるとの評価が定着しつつあります。米国国立衛生研究所NIH(national institute of health)からは「重症肥満に対する治療として、長期間にわたって減量効果が維持されるのは、唯一、外科治療(減量手術)のみである」との声明も出されています。
手術を受けた方々からは、『生活の質の改善』『社会的活動の向上』『精神的安定』『雇用機会の増加』『経済的な改善』などの成果があったと報告されています。不妊治療に多くの費用と時間を費やし子供に恵まれた後、減量手術を受け、減量手術後には不妊治療なしで第二子を妊娠された方もいらっしゃいます。
減量手術を受けられた患者様の手記(30代女性 手術後)
減量手術を受けられた患者様の手記(30代女性 1年後)
減量手術を受けられた患者様の手記(30代男性)〔減量手術.com〕
経済的効果(医療費・生活費)について〔減量手術.com〕
減量手術と妊娠について〔減量手術.com〕
減量手術の内容
減量手術は腹腔鏡下で行いますので、開腹手術のように大きな傷は残りません。肥満治療の中でも腹腔鏡下の減量手術は極めて高度な技術を要するために、日本で実施できる医師はごく限られています。
当院減量外科は国内最多の経験とノウハウを有しており、国内の手術症例数の85%は笠間和典減量外科部長の手によるものです。笠間医師は、これまでに腹腔鏡下胃バイパス手術147件、腹腔鏡下袖状胃切除術66件をはじめとして259件の減量手術を行なっています(2009年10月現在)。
東北大学第一外科非常勤講師、滋賀医科大学消化器外科非常勤講師、群馬大学救急医学講座臨床講師として臨床指導を行なうばかりでなく、アジアを代表する減量外科医として国際肥満外科学会アジア太平洋地区Executive committee、アジア太平洋肥満外科学会Executive committeeを務め、またトルコGaziosmanpasa University Hospital、シンガポールAlexandra Hospital、インドネシアGading Pluit Hospitalなど海外の病院から招かれ現地で減量手術を行っています。
笠間医師の紹介はこちら
1.腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術
胃を20〜30ccの小袋に分け、その小袋を小腸につなぎます。これによって少量の食事で満腹感がえられて食事摂取量が制限されるとともに、栄養の吸収が減少して取り込みをさらに少なくします。
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2.腹腔鏡下胃緊縛法(ラップバンド®)
胃の上部にバンドをまいて締め付けて、上方の小さな部分と下方の大きな部分に分けます。上方の小さな胃の部分が満たされると満腹感をおぼえるので食事摂取量が自然に制限されます。バンドの締め付け方を調整できる器具を皮膚の下に埋め込むことで、状況に応じて膨らましたりしぼめたりできます。

3.腹腔鏡下袖状胃切除術
胃の大半を袖状に切り取り、バナナ一本程度の大きさの胃にします。食事摂取量を制限して減量を図ります。
4.胃内バルーン挿入法
胃の中にシリコンでできた風船を入れて胃袋の容量を減らすことで食事摂取量を少なくする肥満治療法です。手術ではなく、胃内視鏡で行う処置なので、比較的軽度の肥満の方や手術に抵抗のある方にもお勧めできます。また、超重症肥満で術前に減量するほうが安全である方を対象に行います。

減量手術の対象者
肥満治療である減量手術が対象とするのは、「肥満度の指標であるBMI(=体重kg÷身長mの2乗)が32以上で糖尿病またはそれ以外の2つの合併症をもつ方」、「BMIが37以上の方」です。
手術が適応かどうかは、1泊2日の検査入院によって判断させていただきます。また、ご家族のご理解とご協力が得られるかも重要な判断基準です。
患者さんを継続的に支援するためのチーム医療
手術の成果を確実なものにするには、術後の食事療法や運動療法などのフォローが極めて重要です。また、精神面でのケアも必要となります。
これらの問題について当院では、医師・看護師・栄養士・ソーシャルワーカーなどで構成した専門のサポートチームが外来・検査入院時から手術後・退院後まで継続的に支援します。
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