下肢静脈瘤

監修/根岸由香 先生


下肢静脈瘤の検査と治療

〜 当院での下肢静脈瘤の検査 〜

(1)両下肢全体の診察をします。
(2)ドプラー(超音波血流計)やエコー(超音波検査装置)の器械を用いて、静脈の逆流部位や血栓の有無などを評価します。簡便で痛みのない検査です。
(3)静脈瘤3DCT:マルチスライスCTによって撮影されたデータを3次元画像に再構成するものです。造影剤なしで表在静脈の形態評価が可能です。
*単純撮影のみですので、痛みや薬のアレルギーの心配は不要です。
下肢静脈瘤のCT写真 その1
下肢静脈瘤のCT写真 その2

これらの結果を合わせて、各々の患者様の静脈瘤のタイプを診断し、適した治療方法をご相談させていただきます。

〜 当院での治療 〜

下肢静脈瘤の治療にはいくつかの方法がありますが、当院では主に硬化療法手術療法レーザー治療を行っています。

硬化療法
硬化療法とは、硬化剤というお薬を静脈瘤内に注入して、血管の壁と壁をくっつけるように圧迫します。閉塞した静脈は次第に退縮していくので、小さな静脈瘤は消失できます。手術後の付加治療として有用です。硬化療法は外来処置として施行可能です。  
<治療前後の比較 硬化療法1ヶ月後(右)>
 
下肢静脈瘤 硬化療法の治療前後
  1. 静脈瘤に細い針を刺して硬化剤を注入した後、圧迫用のスポンジを当て弾性包帯を巻きます。

  2. すぐに歩行できますので、入院は不要です。

  3. 約24時間は包帯を巻いたままですので、硬化療法当日のみ入浴を控えてください。

  4. 1日経過したら、包帯とスポンジを外して、日中は弾性ストッキングを着用してください。

  5. 硬化療法後は消失した静脈周囲に一時的に色素沈着や硬結ができることがあります。

  6. 1〜2ヵ月後にはほとんど自然に吸収され、見た目上もすっきりしていきます。


硬化療法は一回にできる範囲、硬化剤の量に限りがありますので、広範囲の場合は何回かに分けて治療が必要です。

手術療法
手術療法には静脈抜去術ストリッピング)と結紮術があります。治療をする静脈瘤の範囲、術式によって全身麻酔あるいは腰椎麻酔、局所麻酔で手術を施行します。1泊2日入院あるいは日帰りで手術は可能です。当院ではきずを最小限の個数、大きさで施行するように心掛けています。このためにも術前のドプラー、エコー、3DCTの検査が非常に有用です。傷跡も目立たなくするために、吸収糸で埋没縫合していますので、抜糸は不要です。
下肢静脈瘤 手術療法前
下肢静脈瘤 手術後
<術前>
<術後1ヶ月>

手術後1ヶ月経過すると、きずも目立たなくなります。
皮膚の黒ずみも改善傾向が見られます。残存する瘤があれば、この時期頃に硬化療法を施行します。
下肢静脈瘤 手術後1ヶ月

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