手掌多汗症

1.治療前の症状

私は、覚えている限り小学生の頃から手汗に悩んでいました。症状の程度としては、常に手のひらにうっすら汗をかいており、文字を書いていると紙が湿りふにゃふにゃになってしまう・運転をしているとハンドルに水滴がつく状態でした。そのため、人と手をつながなくてはいけない状況や握手を求められるのが非常に嫌でした。「手汗がひどい事がバレる。」と思うと緊張し、余計に汗が出てしまい悪循環でした。子供の頃は体質だと思い諦めていました。しかし、あるとき自分が勤めている病院にこの病気の患者さんが手術入院してきたため、手術で症状を改善できることを知りました。手汗の症状を改善したい思いは強かったものの、自分の職場で手術を行うと病気がばれてしまうという羞恥心や、手術・副作用に対する恐怖心がありなかなか一歩前に出ることが出来ませんでした。しかし、徐々に仕事にも支障が出てきてしまったため、この病気について本気で調べました。すると貴院で専門的に手術を行っていること・年間の手術件数が多いこと・日帰りでも手術を行えることを知り、勇気を出して外来予約を入れました。

2. 外来を受診

外来では、実際の手術中のビデオを見たり、副作用に対する説明を細かくして頂きました。先生に「手術いつにする?」と言われた時、私は「副作用(代償性発汗)が強く出たらどうしよう。」と急に怖くなり即答できずにいました。すると、黒川先生と外来看護師が私の気持ちを察して下さり「少し外に出て考えてきていいよ。」と言って下さいました。一度外に出て一息ついたら「今までずっと辛い思いをして来たんだから、頑張って手術しよう。」と納得して手術を受ける決心がつきました。この時の先生と外来看護師の対応に、心のケアもして頂いたような気がして非常に感謝しております。

3. 手術と術後の症状

手術は地方からということもあり、1泊入院で行いました。手術室に入って40分程で無事終了しました。術後は呼吸時の胸痛がありましたが翌日にはだいぶ落ち着きました。術後3日後には通常の仕事が行えました。術後から手汗は全く出ていません。また脇の下の汗も減少したような気がします。代償性発汗としては背中・鼠頚部の発汗が少し増えましたが、通常生活する分には全く問題のないレベルです。今までの生活が嘘のようです。

4. 振り返って

私は手術を行って本当に良かったと思っています。人とコミュニケーションを取る際、握手や手をつなぐ事、また相手に触れる動作は非常に大事だと思います。もっと早く手術を受けることが出来ていたら、人との接し方も違っていたかもしれないと考えます。この「手掌多汗症」の症状の苦痛は、体験している人にしか分からないと思います。症状で悩んでいる方がいたら、外来受診をして話を聞くだけでもいいと思います。一歩前に出てみてはどうでしょうか。この手記を通して一人でも多くの方に私の思いが伝わると嬉しいです。最後に一人の医療従事者として、また患者として信頼できる貴院のスタッフに関わって頂き手術出来たことに感謝いたします。

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