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泌尿器科 科長 阿南 剛医師が「日本尿路結石症学会賞」を受賞しました

2023.11.06 お知らせ

日本尿路結石症学会第33回学術集会総会にて、第18回「学会賞」の発表がありました。

本賞は、2022年1月から2022年12月までに発表された国内における基礎的研究・臨床的研究に対して、最優秀論文として学会賞選考委員より選ばれた論文に授与されるものです。

今回の第18回「学会賞」は、当院泌尿器科 阿南 剛医師執筆による「Inhibition of sodium-glucose cotransporter 2 suppresses renal stone formation (SGLT2の阻害は腎結石形成を抑制する)」(2022年11月6日Pharmacological Research掲載)が選ばれました。

日本尿路結石症学会学会賞を受賞して阿南医師よりコメント

この度は「学会賞」の受賞、おめでとうございます。まずは、受賞にあたっての感想をお願いします。
この度は、栄誉ある日本尿路結石症学会の学会賞を受賞できましたこと、大変嬉しく思います。
尿路結石の生涯罹患率は、男性で約10%、女性で約6%と高く、場合により猛烈な痛みを伴います。また、再発率が高く、5 年で約 50%の人が再発します。尿路結石の大部分の成分がカルシウム結石ですが、根本的な予防薬や治療薬は存在しません。そのため、尿路結石の予防薬や治療薬の開発は重要な課題です。今回私たちが着目したSGLT2阻害薬は糖尿病、慢性心不全や慢性腎不全に使用する薬ですが、腎臓の抗炎症作用により腎結石形成を抑制することを示しました。
今回「学会賞」を受賞した論文の研究内容についても伺ってよろしいですか?
本研究は、私が東北医科薬科大学泌尿器科在籍時から開始し、腎臓内科・薬剤部の先生方との共同研究です。糖尿病治療薬であり、慢性心不全や慢性腎不全にも使用するSGLT2阻害薬が腎結石形成を抑制するかを、疫学研究・動物・細胞実験から検討したものです。疫学研究においてSGLT2 阻害薬の処方が尿路結石減少と有意に関連していました。動物実験として腎結石形成ラットやマウスを使用し検討したところ, 抗炎症作用により腎結石形成を抑制しました。SGLT2阻害薬による腎結石形成抑制メカニズムを世界で初めて基礎研究で示すことができました。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
カルシウム含有腎結石に対する根本的な予防薬・治療薬はこれまで存在していませんので、腎結石形成メカニズムの解明ならびに腎結石治療薬への応用が期待できると考えられます。将来的にはSGLT2阻害薬が尿路結石予防や治療につながるかを検討する臨床研究をして、実際の臨床現場に治療薬を届けられるように進めていきたいと思います。
四谷メディカルキューブ泌尿器科では尿路結石を専門としており、尿路結石の正確な診断、適切な治療(手術も含め)、予防法を提案していきたいと思います。 今後も、尿路結石の予防や治療に少しでも貢献できるように臨床も研究も頑張りたいと考えております。

プロフィール

阿南 剛(Go Anan)
四谷メディカルキューブ 泌尿器科 科長
2008年名古屋市立大学医学部卒。聖路加国際病院、東北医科薬科大学病院を経て、22年4月から現職。東北医科薬科大学医学部 臨床准教授を兼務。日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・指導医、日本腎臓学会 腎臓専門医、日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医、日本レーザー医学会 レーザー専門医、日本尿路結石症学会評議員他。患者さまには「正確な診断と必要な治療を」の想いで寄り添い、これまでに約1000例のレーザー内視鏡手術を手掛ける。